リビング+:ニュース 2003/07/11 18:19:00 更新


Broadband CDN Powered by Akamaiに隠された日本ならではのアプローチ (1/2)

全世界にキャッシュサーバを配置し、トラフィック分散を実現するアカマイのビジネス。先日のアカマイとNTTコミュニケーションズの提携は記憶に新しい。しかし、NTTコミュニケーションズとの提携は、いままでのアカマイビジネスとはまったく違う、ブロードバンド大国ニッポンならではのアプローチが秘められていた。

 アカマイ。それは、世界中に分散した15,000台以上のサーバをキャッシュコントロールする技術にすぎない。最初のアクセスはオリジナルのサーバから。しかし、それ以降のアクセスに関しては最も利用者のネットワークに近いキャッシュサーバが返事をする。それがアカマイのキャッシュコントロールビジネスだ。

 アカマイのビジネスモデルは、エンドユーザに近い部分として、主要ISPの中にアカマイのキャッシュサーバを配置し、各キャッシュサーバでウェブサービスをキャッシング運営することである。全世界に配置されたキャッシュサーバの数は全部で15,000台以上。アカマイのビジネスモデルに対して、「分散したサーバのメンテナンスコストがばかにならない」とか、「集中して管理したほうが効率的」といった意見も飛び交った。その正解はどうであるかはさておき、今でもアカマイは着実に利用者を増やし続けている。

 そのアカマイが、NTTコミュニケーションズのネットワーク網を使い、もっとエンドユーザに近い部分にキャッシュサーバを配置すると発表した。ビジネスモデル自体は、これまでのアカマイビジネスと変わらないが、その細かい部分は日本ならではのアプローチが隠されている。

 アカマイのNTTコム版。つまり「Broadband CDN powerd by Akamai」には、2つのポイントがある。1つ目はこれまでよりもさらにエンドユーザに近い部分にキャッシュサーバを配置したという点である。そして、もう1つはNTTコムがアカマイの配信ネットワークを利用したCDNを作り上げたという点だ。

 この2つのポイントを的確に理解するためには、日本は「ブロードバンド大国ニッポン」であることを理解しないといけない。今、日本ではエンドユーザに最も近い部分が超高速ネットワークになりつつある。こうした場合、これまでのようにISP内にキャッシュサーバを配置する形式では、ISP内のネットワーク遅延の影響を受け始める。

 特に、今後ブロードバンド対応したコンテンツが増えることで、よりいっそうその傾向が顕著になるだろう。つまり、日本のようにラストワンマイルが超高速ネットワーク化している状態では、できる限り末端に近いPOI部分にキャッシュサーバを配置しなければ、超高速ネットワークには対応できないのだ。このため、Broadband CDN powerd by Akamaiは、NTTコムネットワーク網とフレッツ網・アッカ網が相互接続するPOI部分にキャッシュサーバを配置している。もちろん、これは日本で初めての試みで、「結果がよければ地点を増やしていく」と、NTTコミュニケーションズ ブロードバンドIP事業部 バイスプレジデントの内藤眞氏はコメントしている。

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[記事提供:RBBTODAY]



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