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2003/07/16 21:30:00 更新 |
WIRELESS JAPAN 2003
トヨタ「自動車だけのITSから脱却」、デンソー「2010年までには全車がネット化」
本日16日より東京国際展示場(ビッグサイト)でネットワークにおける無線化技術のイベント「WIRELESS JAPAN 2003」が開催されている。ここでは、TIS(Intelligent Transport Systems)関連のカンファレンスが行われ、トヨタ自動車やデンソーがそれぞれ講演した。
本日16日より東京国際展示場(ビッグサイト)でネットワークにおける無線化技術のイベント「WIRELESS JAPAN 2003」が開催されている。ここでは、TIS(Intelligent Transport Systems)関連のカンファレンスが行われ、トヨタ自動車やデンソーがそれぞれ講演した。
すべての自動車をネットワーク化させる!
連携することで個々の機能アップを図るデンソー
「2010年までにすべての車がネットワーク化される」としたのは、デンソーの時津直樹氏だ。また、同氏はインターネットITS協議会の事務局長も務める。
デンソーの時津直樹氏
自動車は、エンジンの電子制御に始まり、ABS、車両姿勢の制御装置、パワーステアリング、カーナビ、ETCの搭載など日々進化を遂げている。さらに、これらの機器が連携を始めているのが最近の特徴だ。
同氏は例として、「衝突しそうになると自動的にロックがかかるシートベルト」を示した。これは、一部の自動車に搭載されている車間距離を測るセンサーとシートベルトのロック機構を組み合わせることで実現されている。そのうえで「ITSも既存の機器同士の組み合わせで実現できる」とし、さらにこの車内のネットワーク化が進み「車外との情報交換ができるようになったときにITSが実現される」と、ITSそのものを定義した。
同氏の話を聞いていると、ITSという技術は、車がこれまでとは違った進化を遂げるのではなく、自然な流れで徐々に実装されていくように感じられる。そのせいか、最初に掲げられた「2010年までにすべての車がネットワーク化される」というのは、現実的な話とも思われる。
自動車単体からの脱却か?
生活の中で利用されるナビゲーションを目指すトヨタ
一方、トヨタ自動車は自動車を越えたITSを目指しているようだ。同社の東重利氏は「生活の中で車に乗っているのはわずか5%だ」というデータを示した。
トヨタの東重利氏
生活の中の移動手段といえば自動車のほか、電車、徒歩、自転車などが挙げられるだろう。しかし、同氏によると「これらの交通手段を乗り換えるたびにナビゲーションの情報は途切れる」という。これは、自動車ならばカーナビ、電車ならば乗り換え案内、徒歩ならば紙の地図といったように、交通手段によってナビゲーションのサービスやデバイスが違ってくるからである。そこで、「@NAVI」と呼ばれるあらたな情報提供のコンセプトを提案している。
この@NAVIのコンセプトに基づいて提供されているのが、「@NAVI.com」や携帯電話向けの「EZ@NAVI」だ。これらのサービスでは、たとえば徒歩と電車で目的地に移動する場合に、現在地から最寄り駅までの道のりや電車の乗り換え案内を総合的に検索してくれる。
ITSといえば“自動車の情報化”に傾きがちだが、自動車メーカであるトヨタ自動車が車を離れたITSを展開しているのは驚くべきことだといえる。
関連リンク
トヨタ自動車
デンソー
@NAVI.com
[記事提供:RBBTODAY]