リビング+:ニュース |
2003/07/16 23:02:00 更新 |
WIRELESS JAPAN 2003
Wi-Fiアライアンス、認定作業のロードマップを公表
Wi-Fiアライアンスは「WIRELESS JAPAN 2003」で会見を行い、認定作業のロードマップを公表した。壇上に立ったのは、6月にマネージングディレクターに就任したばかりのFrank Hanzlik氏だ
Wi-Fiアライアンスは7月16日、「WIRELESS JAPAN 2003」の会場で記者会見を行い、認定作業のロードマップを公表した。壇上に立ったのは、6月にマネージングディレクターに就任したばかりのFrank Hanzlik氏だ。
初代マネージングディレクターに就任したFrank Hanzlik氏
Wi-Fiアライアンスは、IEEE 802.11bなど無線LAN製品の相互接続性を検証し、認定する非営利団体。IEEE 802.11bや同802.11aの製品にくわえ、今年に入ってからIEEE 802.11gやWPA(Wi-Fi Protected Access)の認定プログラムを開始している。
無線LANの市場拡大に伴って認定を申請する製品も急激に増加しており、これまでにWi-Fiアライアンスが認定した製品は約800。とくに最近は802.11gに対する需要が大きく、「米国のホリデーシーズンを控え、小売り市場には“力強い動き”がみえる」という。
もっとも、IEEE 802.11gは6月12日に正式勧告が出たばかり。Hanzlik氏は規格認証前の状況を振り返り、「互換性や性能上のさまざまな問題を露呈し、市場に混乱と失望を与えてしまった」と述懐する(記事参照)。しかし同時に「ビジネス市場では認定マークがない製品は販売が困難だ。また小売り市場でも動作不能などの問題があり、認定制度への期待が高まっている」と認定プログラムの重要性を強調した。
WPAサポートは必須に
IEEE 802.11g製品の認定では、同時期に2.4G/5GHz対応のデュアルバンド製品も登場していることもあり、新しい「機能ラベル」が採用された。機能ラベルは、エンドユーザーにもわかりやすい形で、その製品が持つ機能を簡潔に示したもの。製品の外箱に貼付される。
右が新しい機能ラベル。2.4GHz Bandの項目に「54Mbps」が追加されたほか、最下部にはWPAの認定も入る
新しいラベルは、デュアルバンドの表示にくわえ、2.4GHz帯を使う製品には11Mbps(802.11b)と54Mbps(802.11g)を区別できるチェックボックスを追加した。さらにWPAの項目も用意されており、9月からはWi-Fi認定を受けたすべての製品で、ここにチェックが入ることになるという。
「WPAは、8月まではオプション扱い。しかし、8月31日以降に認定を申請した製品に関しては必須となる。一部の特定用途向けデバイス(無線LANを使ったコードレスホンなど)は別だが、PC向け製品のすべてが対象だ」。
市場はデュアルバンドへ
セキュリティの強化とともに、Hanzlik氏が重要なトピックとして挙げたのがデュアルバンド対応だ。既にIEEE 802.11a/bのダブルスタンダード製品については認定作業が開始され、16社26製品が認定されている。一方、IEEE 802.11a/b/gのトリプルスタンダード製品の検証も進行中だ。
「高速な802.11a/gをサポートする製品は、企業が待ち望んでいるもの。長期的な視点に立てば、デュアルバンドこそが業界の進む方向性といえる」(Hanzlik氏)。
一方、同氏が示したロードマップには、無線LANのQoSを実現するIEEE 802.11eや「WPA2」こと802.11iの認定スケジュールも示されていた。とくに802.11eに関しては、AV機器などへの無線LAN搭載を目指す日本メーカーからの要望が強いという。
「IEEEのタスクグループで802.11eの仕様が固まるのは2004年第2四半期。Wi-Fiアライアンスが認定製品を発表するのは、最も速いタイミングで2004年第3四半期になるだろう」(同氏)。
開発ロードマップ
関連記事
WPA認定プログラムがようやく開始、まず6社9製品が認定取得
Windows XP、WPAに対応――無線LANのセキュリティ強化で一歩前進
無線LANの家電への搭載急拡大
5GHz無線LANのWi-Fi認定、第一弾は8製品
802.11gの互換性テスト、7月完了へ
802.11gの“見切り発車”をめぐって論議
関連リンク
Wi-Fiアライアンス
[芹澤隆徳,ITmedia]