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2003/07/23 23:55:00 更新 |
ケーブルテレビ 2003
ケーブルモデムも“VoIP一体型”がトレンド
ADSLサービスでは、高速化に伴いVoIP TAやルータを内蔵したADSLモデムに置き換えるケースが多いが、「ケーブルテレビ 2003」の会場にもVoIP内蔵型のケーブルモデムが多く出展された。今後は、CATVでも一体型モデムが主流になる可能性が高い
IP電話サービスの普及は、ケーブルモデムの形にも影響を与えている。ADSLサービスでは、高速化に伴いVoIP TAやルータを内蔵したADSLモデムに置き換えるケースが多いが、「ケーブルテレビ 2003」の会場にもVoIP内蔵型のケーブルモデムが多く出展された。今後は、CATVでも一体型モデムが主流になる可能性が高い。
「ケーブルモデムでもADSLモデムでも、一体化すれば省スペース化とコンセントの節約ができるのは同じ。また、技術的にも一体化したほうが良い理由がある」。MGCP対応のケーブルモデム「FCM-220P」を出展したフジクラの担当者はこう語る。
フジクラブースの「FCM-220P」。停電時や特番発信時にはPSTN(通常の固定電話)にバイパスする
「IP電話では、受話器を上げたときにスピードやタイミングをはかる“ダイナミックQoS”が必要だ。モデムとTAが一体化しているほうが実装しやすい」。
FCM-220Pは、ダイナミックQoSやMGCPベースのTV会議を実現するPacketCable1.0仕様に準拠した製品だ。ただ、FCM-220Pのモデム部はDOCSIS1.1仕様ということもあり、ケーブルテレビ事業者からは最新のDOCSIS2.0対応版を求める声が多いという。フジクラでは、「なるべく早いタイミング」でDOCSIS2.0をサポートするとしている。
そのDOCSIS2.0とPacketCableに対応したモデムも出展されていた。ネットワンシステムズブースの「VM-J20」もその1つ。黒いきょう体が印象的だが、こちらは参考出展だ。
ネットワンシステムズの「VM-J20」。参考出展
一方、ADSL事業者やISPの多くが採用して注目を集めたSIPは、「ケーブルテレビ 2003」の会場では完全にマイノリティー扱い。もともとCATVではMGCPが使われていたこともあるが、ソフトウェアスイッチの登場により、プロトコルや呼制御の部分が異なるIP電話サービスでも相互接続が可能になった点が大きいだろう。
数少ないSIP対応のVoIP一体型モデムとしては、NECブースにあった「CM5540TV」が挙げられる。DOCSIS1.1対応の「CM5530TV」の後継機であり、モデムはDOCSIS2.0をサポート。参考出展だが、10〜11月には出荷を開始する予定だ。
NECの「CM5530TV」。参考出展
自治体放送に利用できる「VoIP告知電話端末」
富士通ブースでは、ユニークなVoIP一体型ケーブルモデムを見つけた。スピーカーを内蔵し、自治体などの緊急放送に利用できる「VoIP告知電話端末」だ。
「地方では、住宅が点在して自治体の放送が届きにくい場所がある。だが、ケーブルさえ引いてあれば、VoIPを使って確実に放送を届けることができる」(富士通)。地方では、TVの難視聴対策のためにCATVを導入しているケースも多く、それを自治体放送のインフラにも活用する試みといえるだろう。
「FSC131」には、不在時でも放送を聞き逃さない録音機能や緊急放送を示す「緊急ランプ」も搭載。大きめの操作ボタンを色分けし、お年寄りや子どもにも扱いやすいように配慮したという。
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[芹澤隆徳,ITmedia]