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2003/07/28 23:51:00 更新 |
NTTグループのISP4社がショートフィルムの配信で連携
セガとアミューズは、NTTグループのISPと共同でショートフィルム作品「Jam Films」のブロードバンド配信を7月28日に開始した。OCN、DreamNet、ぷらら、BROBAが一週間単位のローテーションを組んで7つの作品を配信する。
セガとアミューズは、NTTグループのISPと共同でショートフィルム作品「Jam Films」のブロードバンド配信を7月28日に開始した。Jam Filmsは、日本を代表する7人の映画監督が撮影した短編映画のコンピレーション・フィルム(記事参照)。7つの作品をOCN、DreamNet、ぷらら、BROBAが一週間単位のローテーションを組んで配信する。NTTグループの4社がコンテンツ配信で協力するのは初めてだ。
左からドリームネットの梶本俊彦社長、NTTコミュニケーションズの前田幸一コンシューマ&オフィス事業部長、NTT-BBの柏尾敬秀常務
Jam Filmsは昨年12月に劇場公開され、劇場数こそ40館と少ないものの約10万人を動員。既にDVDパッケージの販売やDVDレンタルも開始され、DVDは2万5000枚を出荷している(イニシャル)。「ショートフィルムのビジネス化に成功した」(製作を担当したセガの梅村宗宏コンテンツプロデュース部長)。
Jam Filmsのコンセプトは、まずエンターテイメント作品であること。内容はもとより、第一線で活躍している映画監督を起用し、必ずメジャーな俳優を交えたキャスティングを行う。「NIGHT HEAD」や「アナザヘブン」で知られる飯田譲治監督をはじめ、岩井俊二監督、北村龍平監督、篠原哲雄監督、堤幸彦監督、望月六郎監督、行定勲監督といった顔ぶれ。キャストにも大沢たかお、広末涼子など人気俳優・人気女優が1作品に必ず1人は含まれている。
「単館系作品にありがちな低予算、コアユーザー向けという固定観念を打破することを目指した。配給宣伝においても、J-WAVEやHMVなどとのタイアップをはじめ、既存映画配給宣伝とは異なる手法を展開している」(同氏)。ブロードバンド配信もその一環といえる。
一方、4社のISPは、「各ブロードバンドポータルの連携によってスケールメリットを追求する」(NTT-BBの柏尾敬秀常務)。さらに、各社が一週間毎にローテーションする形で1作品ずつ配信することで、作品個々のPR期間を長くする狙いもある。例えば、ぷららなら7月28日〜8月3日までは篠原哲雄監督の「けん玉」、翌週は飯田譲治監督の「コールドスリープ」といった具合だ。
視聴料は1作品あたり300円。7作品をパックにしたスペシャルパックが1500円となっている。なお、配信時のフォーマットやビットレートはISPによって異なる(下表参照)。
ISP | プレーヤー | ビットレート |
BROBA | Windows Media Player | 56K/768K/1.5M/3Mbps |
ぷらら | Plala Player | 700Kbps |
OCN | Windows Media Player | 56K/768Kbps |
Dream Net | Windows Media Player | 56K/768K/1.5Mbps |
セガの梅村氏によると、今後は映画祭などを主催する企業や団体と連携し、Jam Filmsを若い映像作家の“登竜門”にする計画もあるという。記者会見に同席した飯田穣治監督は、「日本の映画作品は“お金を払った人を楽しませる”というところから外れたものも多い。しかし、現在は誰でもビデオカメラを購入し、ブロードバンドの双方向性を使って作品を発表することができる時代。若い作家たちが自然にエンターテイメントの思考を持ち、新しい流れを作ってくれることを期待したい」と語った。
Jam Films Projectの将来展望
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[芹澤隆徳,ITmedia]