リビング+:ニュース |
2003/08/20 21:57:00 更新 |
マイクロソフトとセキュリティベンダー、MSBlastワーム緊急対策用CDの無償配布を決定
マイクロソフトは、セキュリティベンダーと共同して「MSBlast」の緊急用対策用CDを無償で提供することを決めた。一般コンシューマーへの対策告知がインターネットに依存しすぎたため、対策が進んでいないことから判断した。
マイクロソフトは8月20日、セキュリティベンダーと共同して「MSBlast」の緊急用対策用CDを無償で提供することを決めた。MSBlastに感染したPCは、再起動を繰り返す症状を起こすため、インターネットに依存した対策や告知だけでは不十分と判断。CD-ROMによる一時的な緊急対策を決定した。
緊急対策用CD-ROMを提供するセキュリティベンダーは、トレンドマイクロ、ラック、シマンテックの3社。マイクロソフトによると、CD-ROMの内容や配布時期、配布方法は各社により異なるというが、現時点では約20万枚の配布を予定している。
トレンドマイクロでは、すでに店頭で販売している同社のウイルス対策ソフト「ウイルスバスター2003」にMSBlast対策用CD-ROMを添付して販売しているが、これと並行する形で、対策CD-ROM を8月28日から店頭で無償配布する準備をしている(*)。ラックは、同社Webサイトを通じて申し込みになりそうとのことだが、そのほかの配布方法も検討しているという。
*当初、25日からと報道しましたが、その後日程変更がありましたので修正しました(8月21日更新)
CD-ROMには、各社の駆除ツールとMS03-026およびMS03-007の修正プログラムが収録される。MS03-007の修正プログラムも収録することで、MSBlastに乗じて発生した亜種ともいえる「Nachi」(Welchia)にも対応できるようにした。ラックではこのほか、対策ガイドラインやレポートも内包し、今後の対策にも役立ててもらうよう計画している。
MSBlastは8月12日をピークに感染が拡大した。マイクロソフトやラックによると、企業のセキュリティ努力などが功奏して事態は沈静化の方向に向かっている。だが、亜種も登場しており、いまだ予断を許さない状態だ。
この日会見したマイクロソフトの東 貴彦取締役は、「一般コンシューマーへの告知はネットワークに依存したため、十分に機能しなかった」と、緊急でCD-ROMの配布を決定した理由を語った。同社は、一般コンシューマーに向けて、8月15日に全国主要7新聞で対策告知広告を打つなどしたが、これも「内容が難しすぎた」のか、目立った効果を発揮しなかった。
マイクロソフトは今後の施策として、短期的には(1)緊急対策用無償CD-ROMの配布、(2)告知広告展開、(3)25日までの24時間サポート、を行う方針。
長期的には、(1)コンシューマーや企業に対してWindows Updateの重要性の啓蒙活動、(2)ウイルス対策ベンダーなどセキュリティ企業とのアライアンス強化、(3)インターネット接続ファイアウォール(ICF)のデフォルトオフの見直し、を行っていくという。
関連記事
Windowsを危険にさらすRPCのセキュリティホール
Windows.NETチャンネル
Security Alert
関連リンク
マイクロソフト
[堀 哲也,ITmedia]