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2003/10/06 23:29:00 更新 |
ルータはどう進化する? プラネックスの思想
低価格のルータが氾濫する中で、単純に低価格を打ち出すのではなく、「高付加価値」で製品の魅力を上げようとするのが、プラネックスコミュニケーションズだ。同社の考えを確認しよう。
ルータの価格は、ひところに比べると極めて低価格になった。各社の価格競争も進み、いまや5000円を切るルータなど珍しくもない状況だ。そんな中で、単純に低廉な価格を打ち出すのではなく、「高付加価値」で製品の魅力を上げようとするのが、プラネックスコミュニケーションズだ。
先日行われた内覧会では、同社が思い描くルータの将来像を確認することができた。ルータに、今後どのような機能が追加されていくのか、確認しよう。
プラネックスコミュニケーションズの久保田克昭社長
プラネックスの久保田克昭社長は、まず新製品の目玉として、インテルのネットワークプロセッサ「IXP42x搭載端末」をアピールする。既に、IXP425を搭載した「BRC-1141XR」を100台限定、3万9800円で販売しているが、今秋以降には「IXP422/420」を積んだルータ、無線アクセスポイントを順次発売する予定だ(記事参照)。
「ハードウェアアクセラレータで、VPN接続でも40Mbpsの通信速度を実現する」(プラネックス)とされるその処理速度は、速度にこだわるユーザーには確かに魅力だろう。同社はまた、IXP搭載の「ヤマハ、シスコクラスと戦える、最強のコーポレート向けルータ」の投入も予定しており、よりハイエンド製品に勝負の場を広げようとしていることがうかがえる。
同社ルータ製品のロードマップ(クリックで拡大)。「今後、プリントサーバ機能なども追加する」(久保田氏)
同社はまた、ルータを強化する方向性として「ルータから多目的ゲートウェイへ」とうたっている。USB2.0、MiniPCI、IrDAなど多様なインタフェースに対応させるとともに、IPv6化、セキュリティ機能の強化などを目指す。「これらの機能は、将来的に社内やSOHOでの利用を考えたときに、キーポイントになる」(久保田氏)。
もう1つ、同社の考えで特徴的な点を挙げるなら、PoE(Power over Ethernet)機能に着目しているところだろう。現在の製品ラインアップの中では「GW-AP54AG」だけがPoE受電対応のアクセスポイントとなるが、今後対応製品は増やしていくかまえだ。
GW-AP54AG。左は、PoE給電機能に対応したスイッチングハブ。これと端末を接続することで受電を行えるようになる
これは、VoIPの普及をにらんでのことだという。ユーザー宅内での配線の複雑化を抑え、電話同様一本の線でVoIP端末側に電源、データを同時に供給できる体勢を整えることが、ホームネットワークの未来型――との読みだ。
「PoEに力を入れているのは弊社だけ。シェアをとりたい」。
ほかにも参考出展が
会場では、ほかにも参考出展の位置付けの製品がいくつか見られた。MPEG-4画像圧縮に対応した、ネットワーク監視カメラも、その1つ。
PCと接続して、Webブラウザから遠隔操作を行いライブ画像を視聴する。低廉なUSBカメラとは異なるラインの製品で、専用ソフトを搭載しており、画質に優れる。
また、Bluetooth製品も参考出展していた。Bluetoothヘッドセットや、Bluetooth接続のミュージックボックス、USB接続のBluetoothアダプタ、プリンタアダプタなどを展示。会場では、PCを中心とした“SOHO簡易ネットワーク”の構築を想定していると図示されていた。
Bluetooth接続のミュージックボックス
ヘッドセットも展示
USB接続のBluetoothアダプタ
左から、プリンタアダプタとシリアル接続のBluetoothアダプタ
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プラネックスコミュニケーションズ
[杉浦正武,ITmedia]