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2003/10/23 21:04:00 更新 |
1km以内なら12Mbps以上の上乗せも―イー・アクセスのクワッドスペクトラムADSL
イー・アクセスは、11月から提供予定の新ADSLサービス「ADSLプラスQ」の技術説明会を開催した。下りの通信に使用する帯域を高周波側に拡大するなどして、1km以内なら24Mサービスより平均12Mbpsも高速になるという。フィールドテストでの最高速度は36.5Mbps、ラボでは40Mbpsを達成している。
イー・アクセスは、11月から提供予定の新ADSLサービス「ADSLプラスQ」の技術説明会を開催した。いわゆるクアッドスペクトラムADSLで、下りの通信に使用する帯域を高周波側に拡大するなどして、1km以内なら24Mサービスより平均12Mbpsも高速になるという。
イー・アクセス資料より、フィールドデータの分布。2kmまでは24Mサービスより数Mbpsアップ、2km以遠も10%以上の向上を達成している
ADSLプラスQには、センティリアム社の最新DSLチップセットが採用されている。24Mサービスと比較して、周波数帯域の拡大(2.2MHz→3.75MHz)や、ビン(周波数ブロック)あたりの転送ビット数のアップ(15ビット→16ビット超)などの違いがある。これにより、短距離での大幅な通信速度の向上や、中距離での通信速度の改善が達成されているとのこと。また、電話線とのインターフェース部分にあたるADコンバータなど「アナログフロントエンド」と呼ばれる部分の性能向上によって速度への影響が減り、5〜7kmといった長距離でも500kbps程度の速度向上ができたとしている。
仕組みや理論値だけでなく、フィールド試験でも24M方式より通信速度のアップが確認され、特に近距離では非常に大きな速度向上を実現している。フィールドテストでの最高速度は36.5Mbps(線路長550メートル)、ラボにおいては40Mbpsを達成しているとのことだ。
■2kmまで(リンク速度)
距離区分[m] | 500〜1000 | 1000〜1500 | 1500〜2000 |
24M下り(kbps、平均) | 15,104 | 12,368 | 8,745 |
40M下り(kbps、平均) | 27,944 | 20,096 | 12,045 |
下り速度差分 | +12,840kbps | +7,728kbps | +3,300kbps |
■2km以遠(リンク速度)
距離区分[m] | 2000〜2500 | 2500〜3000 | 3000〜3500 |
24M下り(kbps、平均) | 5,009 | 3,115 | 2,662 |
40M下り(kbps、平均) | 5,720 | 3,584 | 3,104 |
下り速度差分 | +711kbps | +469kbps | +442kbps |
このフィールド試験の集計からすると、24Mサービスにおいてモデムの下りリンクアップ速度が10000kbpsを超えているユーザ(上記グラフの1000〜1500のあたり)であれば、大幅な速度改善が期待できそうである。余談ではあるが、RBB TODAYの速度計測サービス「speed.rbbtoday.com」でもイー・アクセス回線に20Mbpsを超える計測結果がぱらぱらと出てきており、従来の24Mサービスより速度が出るのは確かなようだ(注:テスト回線ということでランキングには反映していない)。
イー・アクセスでは、フィールドで顧客に提供するサービスとしては速度はほぼ上限に達したとみており、今後は中距離でのパフォーマンス向上や、現在1Mbpsどまりとなっている上り速度の高速化などをはかっていきたいとしている。
イー・アクセス資料より、距離による速度変化の概要を示したグラフ。1kmから1.5kmあたりでは、プラスQ(40M)はプラスII(24M)よりはっきり高速になることをアピール
関連リンク
イー・アクセス
[記事提供:RBBTODAY]