リビング+:ニュース 2003/11/12 23:59:00 更新


シェア3割を狙う東芝、フラグシップ機「RD-X4」など4機種を追加

東芝はDVD&HDDハイブリッドレコーダー「RDシリーズ」のフラグシップモデルとなる「RD-X4」を含む4機種の新製品を発表した。全モデルがDV端子を備え、プログレッシブ出力にも対応するなど、これまで他社に劣っていた部分を補いつつ、DVD-Multiドライブで差別化を図る。

 東芝は11月12日、DVD&HDDハイブリッドレコーダー「RDシリーズ」の新モデル4機種を発表した。10月に発売した「RD-XS41」とDVD単体レコーダーの「D-R1」を合わせ、計6モデルのラインアップとなる。「全モデルがDV端子を備え、DVD再生時のプログレッシブ出力にも対応するなど、これまで他社に劣っていた部分を補った。DVD-Multiドライブで差別化し、2004年度はシェア30%を確保したい」(東芝デジタルAV事業部DAV国内営業部の岡田淳部長)。

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フラグシップモデルとなる「RD-X4」

 「RD-X4」は、「RD-XS41」をベースに機能強化を図ったフラグシップモデルだ。きょう体の基本的なデザインやサイズは共通だが、「中身は別物」(同社)。HDDが250Gバイトへ大容量化したのを手始めに、映像面はGRT(ゴーストリダクションチューナー)や米Analog Devices製の12bit/216MHz DACで強化。さらに、映像出力のビデオアンプには、ハイエンドDVDプレーヤー「SD-9500」と同じものを採用するなど、“入り口から出口まで”高画質を目指した仕様となった。

 「一般的にはビデオエンコーダーで画質が決まると言われているが、ちょっと違う。高性能なエンコーダーのリニアリティを余さず活かすため、信号を一定にキープできる安定度の高いビデオ出力回路が必要だ」(同社デジタルAVグループデジタル機器開発技術担当DVDシステム第2チームの桑原光孝マネージャー)。

 とにかく映像再生に関してはSD-9500がライバルらしく、プログレッシブ回路も「同機を超えるべく」、I/P変換をより高精度に行えるという「アドバンスト・リアル・シアター・モード・プログレッシブ回路」を搭載している。

 映像のライバルがDVDプレーヤーなら、音声のライバルはオーディオだ。X4には、ピュアオーディオ用としても定評のあるTI製の音声DAC「PCM1737E」を採用し、その周辺も低インピーダンス電解コンデンサやデジタル/アナログ分離型ローカルレギュレータなど高品質なパーツで固めた。光デジタル出力のほか、新たに同軸デジタル出力も備えている。

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同軸デジタル出力も備えた

 ユニークなのは「D5モニター」機能だ。BSチューナーのD端子から出力した信号をX4を介してテレビにスルーできる仕組みで、BSデジタルチューナーにD端子出力が1系統しかないような場合には便利だ。本来はD1入力/D2出力端子なのだが、ハイビジョンの最上位フォーマットであるD5まで対応できるという。ただし、この機能にはアンプが必要になるため、電源が入っていなければ利用できない。

拡張キット(別売)で機能アップ

 「ネットdeナビ」など独特の操作性を提供し続けるRDシリーズだが、今回はさらにPCなしでも操作できる電子番組表「DEPG」が提供される。DEPGでは地上波/BSアナログ/BSデジタルにくわえ、CSやケーブルテレビの主な専門チャンネルもサポート。もっとも、こちらは別売の「RD-X4機能拡張キット」が必要だ。

 拡張キットにはこのほか、録画タイトルをフォルダ形式で管理できる「フォルダ機能」、DVD-RWのVRモード録画サポートが含まれる。「今まで、繰り返しDVD-RAMで十分と話していたが、上級者を中心にユーザーからの要望が多かった」(デジタルAV事業部DAV商品企画部の片岡秀夫参事)。

 拡張キットは2004年3月発売予定だが、価格や販売方法に関しては未定。「少なくともWebからの申し込み受け付けは実施すると思うが、ダウンロード販売になるのか、パッケージ販売にするのかなど検討を進めている段階」。詳細は別途発表する方針だという。

 RD-X4本体は、12月1日発売予定。価格はオープンプライスだが、実売17万円前後の見込みだ。

VHS一体型もラインアップ

 「RD-XS35」は、RDシリーズのベーシックモデルという位置づけ。HDDは160Gバイトになり、アナログBSチューナーやイーサネットポートも非搭載。したがって、「ネット de ナビ」も利用できないが、価格は11万円前後に抑えられる見込みだ。12月10日に発売する。

 エントリー機という位置づけの「RD-XS32」は、XS35とほぼ同等の仕様でHDDを80Gバイトにしたモデル。こちらは12月1日発売で、9万円前後で販売される。

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写真は「RD-XS32」だが、基本的に「RD-XS35」も同じきょう体

 これらのモデルに「ネット de ナビ」が搭載されなくなった理由は、「ハイブリッドレコーダーのユーザー層が広がり、皆がADSLなど常時接続環境を持っているかといえば、そうではなくなった」(岡田部長)という判断による。各商品を差別化し、ラインアップを拡大することで、より幅広いユーザーを獲得するのが目的だ。

 さらに東芝は、他社に追随する形でVHS一体型のDVDレコーダーもリリースした。「D-VR1」は、HDD非搭載ながら、裏番組も同時録画できるダブル地上波チューナーやDV入力端子を装備。また、VHS-DVDの双方向ダビング機能が充実したモデルだ。

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ダブル地上波チューナー搭載のVHS一体型のDVDレコーダー「D-VR1」

 たとえば、フロントパネルの「ワンタッチダビングボタン」を押すだけでVHSとDVDの間で簡単にダビング可能。また、VHSからDVDへダビングする際、VHSの頭出し位置(VISS信号)を検出し、自動的にチャプター分割を行う機能もある。「ユーザーは多様なレコーダーを求めている。VHSからの移行を“ブリッジ”するような製品も重要だろう」(岡田氏)。

 D-VR1は、RD-XS32よりも安い8万円台半ばで発売される見通し。出荷開始は12月1日だ。

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▼ニュースリリース

[芹澤隆徳,ITmedia]



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