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2003/11/19 22:41:00 更新 |
シャープ、通信距離を3割延ばす無線LAN向けパワーアンプ
シャープは新素材と新回路設計により、低消費電力ながら通信距離を延ばすことができる無線LAN向けの新しいパワーアンプを開発した。2004年1月に量産出荷を開始する。
シャープは11月19日、電力効率を向上させることで高出力を実現し、通信距離を同社従来製品よりも30%延ばした無線LAN向けのパワーアンプ「IRM046U6」を発表した。2.4G/5GHz帯の両方に対応する。
「IRM046U6」
パワーアンプの材料として新たにInGap(インジウム・ガリウム・リン)を使用。「バイパス型低歪みバイアス回路」と「素子間バイアホール構造」と呼ばれる新しい回路構造を採用することで、電力効率アップと“歪み”の低減を両立させた。
通常、電力効率と歪みはトレードオフの関係にあり、単に電力効率を高くしようとすると歪みが増大して通信品質の劣化につながる。しかし新製品では、新回路などの採用によって2.4GHzの場合で21%(従来は14%)、5GHz帯で16%(従来は13%)に電力効率を改善しつつ、歪みを低減。歪みを嫌うAV機器などのデバイスにも適しているという。
また、電力効率の改善により相対的な電波出力が向上したため、消費電流を抑えることが可能になった。無線LANカードに使われるパワーアンプの消費電流は「200mA以下」が目安とされているが、新製品では2.4GHz帯で115mA、5GHz帯で150mAに抑えつつ、同時に通信距離を3割延ばしているという。
主な応用商品は、無線LANカード、PDA、IPフォン、ホームサーバなど。2003年12月からサンプル出荷、2004年1月には量産出荷を開始する予定だ。
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シャープ
ニュースリリース
[ITmedia]