コロケーション騒動は一段落か。総務省、NTT東西のコロケーション等に関する接続約款の変更を認可へ。Yahoo!BBに仮押さえリソースの解放を迫る内容に
総務省の情報通信審議会は、NTT東西から認可申請の出ていた接続約款の変更(コロケーションと光ファイバの保留期間の変更等)について、審議結果を答申した。いくつかの条件付きながら、接続約款は変更案どおり認可することが適当とされた。これにより、NTT東西がフレッツ・ADSL用に留保していたリソースが、すでに逼迫状態にある事業者に対して緊急提供される見通しだ。
昨日まで報じているとおり、現在、特定事業者(具体的にはYahoo!BBサービスを提供しているビー・ビー・テクノロジー)によるNTT局舎内コロケーションリソースの大量予約によって、多くの交換局であらたなコロケーション申請が出来ない状態となっている(イー・アクセスによれば、申請した180局中124局でNG回答だったという)。今回のNTT東西による接続約款の変更申請は、この状況に対処するためのもの。
接続約款の改正は、(1)コロケーション可否の調査結果の回答から申し込みまでの期間を、現在の3ヶ月から1ヶ月に短縮し、(2)この回答から工事着工までの無料保留期間を、現在の最大1年3ヶ月から6ヶ月まで短縮する、という内容。むしろポイントは、(1)(2)の変更を既に行われている申し込み分に対しても適用するという附則にある。NTT東西は、これによって保留状態にあるコロケーションリソースに対してコストを順次発生させ、仮押さえ状態のリソースを解放させようとしているわけだ。
情報通信審議会は答申の中で原則的にこの方針を支持する姿勢を明らかにしており、NTT東西に対して自社確保分(フレッツ・ADSLサービス向けなど)の見直しなどの条件を付けつつも、遡及適用についての附則を含めて、変更の認可を適当と結論づけている。答申ではさらに、当事者間の協議で状況の改善がはかられない場合の対応として、電気通信事業紛争処理委員会の斡旋・仲裁の利用や、総務省による業務改善命令の発動まで示している。
今回の約款変更では、コロケーション申請における上限の設定やキャンセル時のペナルティ、さらにはNTT東西による設備投資後のキャンセルで発生するコスト負担などについての規定は含まれていないが、要検討課題として挙げられている。今後は、同様の手段でのコロケーションリソース差し押さえ合戦が起きにくくする方向で、さらに約款の改正が行われるものと思われる。
実際の約款変更は、答申で示された一部規定の追加後となるが、特に問題がなければ年末ないし年明け早々に総務省から認可される見込み。