総務省、1月実施の通信産業動態調査の速報を公表。電気通信事業の売上高見通しの指数が初めてマイナスに

【 国内記事】 2002年2月18日更新

 総務省は、2002年1月に実施した通信産業動態調査の結果を公表した。それによると、電気通信事業者全体では、2002年度第1四半期の売上高見通しについて、、売上高が増加すると判断した事業者の割合から減少すると判断した割合を差し引いた指数(DI)がマイナス2.7となり、1995年の調査開始以来、初めてマイナスに転じた。この指数は、日銀短観の通信事業者版。

 業態別の売上高見通し指数(DI)では、第一種電気通信事業者がマイナス7.7、第二種電気通信事業者はプラス9.1となっており、特に第一種では2001年度第一四半期以来、5期連続での減少となった。これは、昨年来の料金の急激な下落によるものと思われる。

区分 01年度 02年度
第1
四半期
第2
四半期
第3
四半期
第4
四半期
第1
四半期
電気通信事業 32.7 38.5 20.0 16.2 ▲2.7
第一種電気通信事業 48.6 36.1 23.5 0.0 !
▲7.7
第二種電気通信事業 0.0 50.0 6.7 54.6 9.1
数値はいずれも、「増加」−「減少」・%ポイント(DI)

 その一方で、資金繰り見通し指数(DI)は、電気通信事業者全体でプラスの5.6となり、こちらは2001年度第2四半期にいったんマイナス7.8まで減少して以来、一貫して改善してきている。

区分 01年度 02年度
第1
四半期
第2
四半期
第3
四半期
第4
四半期
第1
四半期
電気通信事業 ▲5.5 ▲7.8 ▲1.9 0.0 5.6
第一種電気通信事業 ▲8.1 ▲13.9 ▲11.8 ▲8.0 ▲4.0
第二種電気通信事業 0.0 6.7 16.7 18.2 27.3
数値はいずれも、「良い」−「悪い」・%ポイント(DI)

 電気通信事業者の第一種、第二種の違いは、サービスに使用する回線を保有するかどうかによる。第一種が回線を自社保有(ないし安定的な長期レンタル)している事業者で、NTT東西やCATVインターネット事業者などがこの分類になる。一方、第二種は回線を自社保有しない事業者で、いわゆるプロバイダの一部がこの分類になる。

 第一種事業者の売上高見通し指数がマイナスに落ち込んだことで、まだまだ価格の下げ圧力が強いと見ている事業者が多いことがわかる。価格競争はまだ当分続きそうだ。

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