日本テレコム、塩尻市内で固定無線によるインターネット接続実験をスタート。塩尻市と共同で

【 国内記事】 2002年2月19日更新

 塩尻市と日本テレコムは共同で、26GHz帯および2.4GHz帯の無線を使用したインターネット接続実験を開始した。高速な26GHz帯を市内のバックボーンとし、エンドユーザ宅のアクセスには2.4GHz帯を使用するという二段階構造となっているのが特徴で、交換局との距離の問題からADSLの利用が難しいとされる地方都市では、ブロードバンドアクセスに固定無線アクセス(FWA)が有効な手段になるとしている。

 この実験ネットワークの中心となる26GHzP-MP(*)無線基地局(親機)は塩尻市役所に設置される。そして、この基地局を中心とした半径1kmの圏内に、複数の26GHz無線加入者局(子)を設置する。加入者局は、市内の5つの市管理施設(学校・公民館など)に設置され、それぞれの学校や公民館に高速なインターネットアクセスが提供される。

 また、それぞれの加入者局設置施設には、2.4GHz無線LANアクセスポイントも設置され、周辺への無線LANによる接続を提供する。無線LANエリアについては、カバーエリアは半径約200mで、アクセスポイントあたり約10ユーザ程度を収容できる。

 塩尻市は市内の公共施設を光ファイバ網で接続するなど、市内の情報化に積極的な自治体で、今回の実験ネットワークでも塩尻市の光ファイバが日本テレコムのバックボーンとの接続に使用されている。今回の実験について、塩尻市と日本テレコムは、得られたデータやノウハウを、同様の事情(DSLでカバーできない地域が多い、など)を持つ自治体へ情報提供していきたいとしている。

*)P-MP:Point to MultiPointで、1対多による通信のこと。基地局1つに対して、複数の加入者局が同時に通信できる。

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