ブロードバンド化でユーザのアクセス傾向が変わる?ネットレイティングス発表の1月の利用状況、ブロードバンドユーザはフジテレビ、産経、トヨタへ

【 国内記事】 2002年3月11日更新

 ネットレイティングスは、ブロードバンド環境にあるユーザが、ナローバンド環境のユーザとは異なるサイトアクセス傾向を示していると発表した。これは、Nielsen//NetRatingsの2002年1月度インターネット利用動向レポート「Internet Media Strategies」の月刊集計結果によるもので、ブロードバンドユーザの家庭からのインターネット利用には、同一業種の企業サイト間であっても訪問回数の比率に差が生じているという。

 発表ではテレビ局サイト、新聞社サイト、一般企業サイトについてまとめているが、データでは、いくつかのサイトでブロードバンド比率がきわだって高い傾向を示している。

 NHKおよび民放在京キー局のあわせて6社のうち、ブロードバンドユーザがアクセスした比率が最も高かったのはフジテレビ(fujitv.co.jp)で、ブロードバンド対ナローバンド(BB:NB)の比率は47:53。フジテレビとほぼ同数のユニークオーディエンスの日本テレビが、BB:NBで35:65だったことから、確かに傾向の違いがあることがわかる。このほか、テレビ局系でBBアクセスが4割に達しているのは、唯一テレビ東京(BB:NBは40:60)のみで、ほかはすべて3割台となっている。

 また、新聞社系でもっともブロードバンドからのアクセス率が高かったのは、産経新聞のSankei Web。BB:NBで51:49と、アクセスの過半数をブロードバンドユーザが占めている。一方でナローバンドからのアクセス率が高かったのが朝日新聞のasahi.comと日刊スポーツで、いずれもBB:NBが37:63。

 こうしたブロードバンドによる“急進”“逆転”現象についてネットレイティングスでは、フジテレビの「お台場チャンネル」を例にあげ、ブロードバンドユーザを意識したコンテンツ提供とブロードバンドユーザ比率とのゆるやかな相関関係を指摘している。

 このほか、一般企業でもブロードバンドアクセスの比率の差は大きく、BBユーザ率が高いのはトヨタで、47:53。ほぼ半分のアクセスはブロードバンドによるものだ。ユニークオーディエンス数ではソニーに次いで2位のトヨタが、BBユーザ比率ではソニーを抑えトップとなった。BBユーザ比率でトヨタに続くのが東芝(45:55)、松下(40:60)の家電メーカ2社。一方、ナローバンド率が高いのはホンダで、30:70。7割のアクセスがナローバンドから来ている。トヨタもホンダも同じ自動車メーカーでありながら、まったく逆の傾向を示しているのは興味深いところだ。

 さらに同レポートでは、2002年1月度の家庭からのインターネット利用者数は前月(2001年12月度)に比べてほぼ横ばいであったものの、ブロードバンドユーザの占める割合が約10%増加と急進している点を挙げ、「家庭におけるブロードバンド環境への移行が急速に進行中」であると結論づけている。

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