総務省、NTT東西のアクセス系光ファイバ設備アンバンドルサービスを認可。FTTH本格化に向けてメディアコンバータベースのNTTファイバ開放がスタート
総務省は、本年2月にNTT東西から出されていた光ファイバ設備アンバンドル提供などに関する接続約款の変更を認可すると発表した。このサービスのNTT東西による提供は「認可後速やかに」行われる予定。情報通信審議会から本日出された答申を受けてのもので、あわせて中継系光ファイバの手続きにおける内外無差別化や新サービスの提供についても認可される。
アクセス系光ファイバは、局舎から加入者宅まで敷設される光ファイバで、Bフレッツサービスなどで利用されている。メディアコンバータによる開放により、通信事業者はイーサネット接続のできる通信機器をNTT局舎内に設置することでFTTHサービスをエンドユーザに提供できるようになる。
すでにシェアドアクセス方式(Bフレッツ ファミリー相当)のファイバ開放は行われていたが、今回はメディアコンバータによる提供で、16芯のファイバを1イーサネットポートにまとめて接続する「集線型(Bフレッツ マンション相当)」と、1芯のファイバを1イーサネットポートで接続する「非集線型(Bフレッツ ベーシック相当)」の2種類が提供される。非集線型では、エンドユーザ宅と局舎が100Mbps占有で接続されるわけだ。
認可されたサービス内容は以下の通り。
集線型(Bフレッツ マンションタイプ相当)
提供機器:局内ファイバ16本+集線型メディアコンバータ
月額料金:20.057円(1回線あたり約1,254円)
(内訳 回線390円×16本、メディアコンバータ13,817円)
非集線型(Bフレッツ ベーシックタイプ相当)
提供機器:局内ファイバ1本+メディアコンバータ
月額料金:1,531円
(内訳 回線390円、メディアコンバータ1,141円)
いずれも、アクセス系ファイバ部分(局舎〜加入者宅)の料金は別にかかるため、1回線あたりの月額コストは非集線型で6134円、集線型で5,857円になる(タイプ1使用時)。
現行のDSL向けメタル線アンバンドル料金が1,933円で、光ファイバとの差額はおおよそ4,000円。今回の新接続方式をDSLと比較した場合、DSLAM(局内の集合DSLモデム)が必要なくなる一方で、回線帯域はさらに必要となる。タイプ2のADSLが5,000円〜6,000円ということからして、このアンバンドル光ファイバを採用する事業者が登場する際には、月額9,000円前後でのFTTHサービスを期待できそうだ。
このほか今回認可された接続約款の変更では、シェアドアクセス利用時の相互接続点をさらに細分化し、あらたに局内光スプリッタでの提供も開始されることになった。
アクセス系ファイバの開放は、電力系事業者、特に東京電力の参入によって促進されたものと思われるが、エンドユーザである我々は素直に歓迎したいところだ。
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