アッカが“まずは100万加入”目指した戦略発表。アクセスプラットホームに特化することがアッカのキー
先月末にNTTコム、三井物産から増資を受けてより活発化したアッカが、本格的なビジネス拡大に向けて動き出した。
▼左からNTTコミュニケーションズの沖見勝也副社長,アッカの坂田好男社長,三井物産の井澤吉幸情報産業部本部長
先月末で加入者が36万を越えたアッカであるが、ISPにADSL回線を提供するという裏方に徹している同社は、直接エンドユーザの前に出ることが少なかった。特に、アッカは営業の主体が提携ISP経由になっているため、今後のビジネス展開方向が見えにくいという傾向も持っていた。
おそらく、アッカ・ネットワークスというと、バックにいるNTTコミュニケーションズの姿もちらつくことから、業界的には技術力で裏付けされたテクノロジとサービスを持ち、高品質のブロードバンド環境を提供しているというイメージが大きいといえそうだ。
そのアッカが、先月の増資で三井物産という新たなパートナを受け入れたことで今後の方針がより明確になったといえる。まず、アッカはADSLアクセス回線を提供するホールセーラとしての位置にいるが、すでに法人向けには光サービスを提供しているうえに、筆頭株主であるNTTコミュニケーションズはアッカのADSL回線を利用して無線LANのハイファイブも提供している。アッカとしては、もはやADSLという看板を下げて、ADSLも無線も光も提供するブロードバンド・アクセス・プロバイダという姿をこれから前面に押し出すことになる。
ただし、必ずしもアッカが自らADSL以外のサービスを提供するというわけではなく、ハイファイブのようにエンドユーザが直接見るインフラはADSL以外というケースも含まれる。いずれにしても、現状の主力サービスはADSLサービスであるが、アッカ自体はADSLに固執することなく、その状況に合わせていろいろなかたちでブロードバンドアクセスサービスを提供するとしている。
現状のアッカは、2月でのADSL全開通数のうち、30%近くを確保する勢いで契約者増が続いている。特に、今年になってアッカの躍進は続いており、1月以降アッカ単月契約件数でトップを走っている。月あたり6万を越える開通処理をしているアッカは、アナログ回線利用者のうちタイプ1での申込者に関しては98%以上を7営業日で開通させているとしており、順調な処理が契約数確保につながっているようだ。また、開通させるためのヒューマンリソースと教育もすませており、アッカは累計設置数で100万契約をめざすことになる。
ただし、早期のエリア展開で利用者を獲得してきたアッカにとって、これからの契約増は、品質を重視した戦いとなる。とくにさらなる契約増をめざすアッカにとって、局舎から遠く離れた距離の利用者へのサービス提供をどう解決するかが大きなキーワードになる。現在アッカはReach DSLに匹敵するAnnex Cベースの拡張モデムの導入に前向きである。アッカの現在の勢いをとめることなく長距離ユーザへのサービスが実現すれば、アッカは比較的早期に累計で100万契約を確保できるかもしれない。
関連記事
アッカ,総額116億4000万円の第三者割当増資を実施
関連リンク
アッカ・ネットワークス