[NAB2002速報] ライブ放送も流しているNAB2002で注目を浴びるMPEG-4技術
4月8日から11日までの4日間、米国のラスベガスで「NAB」(主催:The National Association of Broadcasters:全米放送事業者連盟)が開催され、合計1400社以上の団体が参加した。世界最大の放送機器機器展示会だけあって、今年も、昨年同様Sands Expo CenterとLas Vegas Convention Centerの2会場での開催となった。
2会場に分かれているといっても、Sands Expo Centerでは「インターネットストリーミング配信の展示」、Las Vegas Convention Centerでは「放送機器中心の展示」が展示のテーマとなっている。まずは、Sands会場での模様を速報で伝える。会場が広く、ブースも多いが、Sandsでは思ったより真新しいものや派手な技術は少ないようだ。初日のせいか、会場内では来場者もまばらで、少し寂しい感じであった。なお、開催中の模様は、こちらからライブ映像を見ることもできる。
・望まれる「高画質の映像」を反映した展示
家庭用のテレビに接続してネットワーク上のビデオオンデマンドを視聴できる「セットトップボックス」が多くのブースで見られた。インターネットを介して低帯域向けに質を落とした映像を流すというよりも、衛星や閉ざされたネットワークを使って高品質のMPEGデータを流そうという傾向にあるようだ。
・注目を浴びるMPEG-4
QuickTimeのライセンス問題などで何かと話題の多いMPEG-4だが、M4IF(MPEG-4 Industry Forum・100社以上から成る)を中心に、MPEG-4関連の製品が目立った。RealNetworksやQuickTimeにMPEG-4プラグインを提供しているENVIVIOやiVASTは、MPEG-4エンコーダサーバプレイヤー製品を取り揃えていたり、Sigma Designsでは、MPEG-4対応のセットトップボックスを展示していた。
またKDDI研究所では、AUの端末でMPEG-4をダウンロード再生し、そのコンテンツにコピー禁止設定や再生可能回数や有効期限を付けられるDRM(Digital Rights Management 著作権管理)機能付きエンコーダ「ezmovieクリエータPro」を展示していた(発売は5月10日から・日本のみのサービス)。
・Premiere6.0の新機能
Adobeでは、動画編集ソフト「Premiere6.0」の新機能が紹介されていた。今までPremiereではMPEG-2の書き出しができなかったが、サードバーティであるDigiOn社のプラグインを入れることによってDVD(MPEG-2のオーサリングができるようになった。また、書き出したMPEG-2やストリーミング形式のムービーファイルにURLを埋め込む機能が搭載され、指定したポイントでWebページを表示することができる。
・展示会場の外に端末を設置
出展会場の外では電子メールを確認できる端末が用意されており、かなりの人の列ができていた。また、その横では、PDAにデータをダウンロードできるコーナーが設けられていたり、入り口付近では、靴磨きのサービスが行われていたりなど、来場者のためのおもしろいサービスも用意されていた。