業績好調! カレーの「ココイチ」に、人が集まるワケ水曜インタビュー劇場(カレー公演)(1/7 ページ)

» 2015年11月04日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

 「カレーハウスCoCo壱番屋」(ココイチ)を運営している壱番屋の業績が好調である。直近の数字で、売上高&最終利益が過去最高を更新しているのだ※。外食チェーンをみると、ハンバーガーや牛丼チェーンなどの売上高や客数はイマイチなのに、なぜココイチは元気なのか。

※平成27年5月期連結決算:売上高は前期比3.4%増の440億円、最終利益は14.2%増の27億円、いずれも過去最高を更新。

 要因を調べていくと、既存店の売り上げが伸びていたり、客単価が増えていたり、海外展開が好調だったりする。このほかにも何かがあるはず……と思って、あれやこれやと探っていくと、大きな疑問に直面した。業界トップ・ココイチの店舗数は1420店(うち海外178)なのに対し、2位のゴーゴーカレーは80店ほど。カレーは国民食のひとつなので、チェーン店は抜きつ抜かれつのデッドヒートを繰り広げているかと思いきや、“独走”状態なのだ。

 「ほほー、それはスゴい」と思われたかもしれないが、外食産業の中でカレーの存在感は小さい。富士経済によると、ハンバーガーが6000億円、回転寿司が5000億円、牛丼が3000億円をそれぞれ上回っているのに対し、カレーは1000億円を切って900億円ほど。考えてみると、ラーメンや牛丼などと違って、夜食にカレーを食べる人は少ないはず。また、ビールやワインなどと一緒にカレーを楽しむ人も少ないはず。ランチで勝負しなければいけない事情があって、カレーの市場規模はそれほど大きくないのだ。

 それにしても、である。二匹目のドジョウを狙って他社はカレー市場を狙っているはずなのに、なぜココイチはここまで成長し、独走しているのか。この2つの謎を解くために、同社で取締役(東日本本部長)をされている宮崎龍夫さんに話を聞いた。聞き手は、ITmedia ビジネスオンライン編集部の土肥義則。

※ハウス食品グループは10月30日、壱番屋を買収すると発表しましたが、本取材は発表前に行ったものです。

ココイチのカレーが売れている理由は?
       1|2|3|4|5|6|7 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.