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» 2018年11月28日 08時30分 公開

日立流「外国人人材の活用術」:日立に迫られる“日本的雇用”からの脱却 「グローバル人事戦略」仕掛ける中畑専務を直撃 (4/6)

[中西享,ITmedia]

日本人社員からの不満にどう対応するか

――外国人人財を日本人とは異なる高い待遇で雇用すると、日本人社員から不満が出る恐れはないか。

 グレードを用いた評価制度を世界共通にしたが、給与水準は確かに異なる。給与水準が異なる分、海外では結果を出せなければ解雇されるし、厳しい競争の世界があるのが前提だからだ。

 また、年金や手当てなど、日本と海外では法律も違うため、一概に給与を同じにすることはできない。加えて、海外では人事マネジャーや経理マネジャーなど、職種ごとにマーケットの報酬水準があり、それをベースに給与が決まるのが通常だ。給与水準を統一してしまうと、逆に優秀な人財が採用できなくなる可能性もある。

テレワークの狙い 

――日立グループとして、会社以外の場所で仕事をするテレワークを推奨する狙いは何か。

 こうした働き方を進めることで、国籍や文化、性別、年齢などさまざまな環境を背景に持つ多様な人財が、最大限に能力を発揮できる職場にすることが最大の狙いだ。

 今後2〜3年以内に、10万人規模の社員が、自宅や外出先からセキュリティを完備した会社用のPCにリモートアクセスし、仕事ができる環境を整える。また、サテライトオフィスやシェアオフィスも拡充する計画だ。現在は、東京・八重洲の拠点をはじめ、首都圏を中心に、48箇所利用できるスペースを設けている。手続き上も、事前に申告すればテレワークができる仕組みだ。こうした働き方を進めていくことが、優秀な人財の活躍と確保につながり、結果的に会社を成長させることになる。

――「仕事の見える化」を進めているようだが、どういうメリットがあるのか。

 日本企業は仕事のやり方を「メンバーシップ型」から「ジョブ型」に変えていく必要がある。これまでは仕事のやり方や質が人に依存していたため、結果的に優秀な社員に仕事が集中して残業が増えてしまうという構造があった。この構造を変え、会社として仕事を効率化するため、これからは、仕事のやり方や質を決めた上で、人を割り当てる「ジョブ型」に変える必要があるのだ。単に残業を減らすだけでなく、仕事のやり方自体を変えていく「働き方改革」を進めなければならないと考えている。これを実現するため、17年度から、260の職場で「仕事の見える化」を実施してきた。

 具体的には、各職場の社員一人一人が今どんな仕事をしているかを、週単位でホワイトボードに貼り出す。方法はアナログだが、誰がどんな仕事をしているのかが一目で分かり、進行状況も一覧できる。ITとアナログを目的によって使い分け、目的を果たすために、効果的に実施することが重要だ。進捗状況を朝会などで話し合い、仕事が遅れている人や業務には、手の余っている人を割り当てることで職場全体の残業時間も減り、業務自体を見直したり削減したりするなど効率化につなげている。

 この方法が、適する職場とそうでない職場はあると思うが、今後はこうしたアプローチも増やしていきたい。

phot 八重洲のサテライトオフィス「@Terrace」
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