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» 2018年12月15日 06時30分 公開

『クリスマスキャロル』再演の真意:僕の足を引っ張らない社会を作る――ホリエモンが演劇をアップデートする理由 (3/5)

[今野大一,ITmedia]

カラオケは世界に誇るべき「発明」 

 カラオケを歌ったことのない人はいないですよね。でも50年前は、カラオケはありませんでした。僕は、カラオケは日本が世界に誇るべき「発明」だと思っています。なぜかというと、音痴の人でもカラオケは歌えるからです。当たり前だと思うかもしれませんが、実はこれはとても大事なポイントなのです。

 カラオケが生まれる前は、歌を歌える人というのは限られていました。歌を歌うには3つの条件があったのです。楽器を演奏できること、音痴ではないこと、歌詞を覚えていること、この3つです。この3つをクリアしないと歌は歌えなかったのです。しかし、皆さんもご存じの通り、カラオケが全てを解決しましたよね。つまりカラオケは、誰でも歌を歌えるようにしたのです。

 定年後のサラリーマンにとって、カラオケは重要なコミュニケーションツールになっています。「歌が好きだ」というだけで、世代を超えて仲間になれるからです。僕は演劇にもこのことが当てはまると思っています。なぜか? 演劇をする上で難しいのは台本を覚えることです。これがとても難しいのです。台本を覚えていないと演技に集中できません。だから素人が演技をするには、カンペがあればいいんですよ。モニターにせりふが流れるようにする「デジタルカンペシステム」を作ればいいのです。これは、実は今のテクノロジーでも十分に可能なのです。でもなぜ誰もやっていないのでしょう?

 理由は役者さんたちのプライドが高いからです。演劇とは「せりふをきちんと覚えるものだ」と思い込んでいるからなのです。先に述べたように、劇場で飲食をするのと一緒ですよ。「せりふを頭にたたき込むのがプロの役者ってもんだろう」と彼らは言うのです。でもミュージシャンは今、ステージに立つときは、プロンプターを使っています。彼らはカンペを見て歌っているのです。どんなに素晴らしい歌手でも歌詞を忘れることがあります。でも僕は、客が不自然に思わなければ、何をやってもいいと思っています。近い将来、メガネやコンタクトレンズに歌詞が表示されるシステムができるかもしれません。でもそれだけで演劇はアップデートされるのではないでしょうか。

phot

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