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» 2018年12月15日 06時30分 公開

『クリスマスキャロル』再演の真意:僕の足を引っ張らない社会を作る――ホリエモンが演劇をアップデートする理由 (4/5)

[今野大一,ITmedia]

演劇は年を取ってもできる

 演劇は年を取ってもできます。デジタルカンペシステムや、昔の演劇を再演するための著作者印税システムをネットで共有することができれば、演劇を取り巻く環境はよくなると思います。ほとんどの役者さんは食べていけていません。でも彼らはきついチケットノルマを課せられたとしても、千秋楽を迎えたときの高揚感や一体感が忘れられなくて続けているのです。だから食べていけないようなプロの役者さんが、素人の役者さんに指導する派遣システムを作るなどすれば、演劇のエコシステムはうまく回るのではないかと思っています。

 演劇には中毒性があります。だから定年後のサラリーマンの人生を豊かにする装置としては絶好だと思います。スポーツも同じですね。僕がJリーグやBリーグのアドバイザーをやっている理由もここにあります。サッカーやバスケットボールのサポーターには、「愛好者じゃないとサポーターになってはダメ」という雰囲気はありませんか? 「初心者は来るな」みたいな。でも僕は、それは間違いだと思っています。

 JリーグやBリーグの経営で一番大切なのは、「年に1〜2回しか見に来ない人を、いかにまた来させるか」なのです。その層の人たちが来なければ、経営は成り立たないからです。僕はスタジアムを「結界」と呼んでいますが、普段足を運ばない人にとっては、スタジアムには「見えない壁」があるのです。この「結界」を越えさせるために、Jリーグの鹿島アントラーズは、スタジアム内にクリニックやスポーツジム、マッサージサロンを作りました。地域住民が普段から足を運ぶ習慣を作ろうとしているのです。このようにスポーツも、定年後のサラリーマンにとっての生きがいになると思っています。

 僕の活動は単なる「遊び」だと思われるかもしれません。でも150年前の日本人が、今の僕たちの暮らしを見たら、「何でこいつら遊んでばかりいて田んぼ耕さないんだよ」と思うのではないでしょうか。もう僕たちは、生活するために働く時代を超越したともいえるのです。まさにテクノロジーの勝利です。AIの進化によって、僕たちは労働から解放されつつあるのです。

phot (写真は一般社団法人G1提供)

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