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» 2019年01月30日 06時00分 公開

3分の1が55歳以上:ゼネコン各社、建設現場でのロボット化急ぐ 若者確保につながるか (1/2)

建設業界ではロボットを活用した省人化や、人工知能(AI)の導入による作業効率の向上が喫緊の課題となっている。技能労働者の数がピーク時の平成9年に比べ約7割の水準まで減少するなど、担い手不足の問題が深刻化しているからだ。ゼネコン各社は、若年層が業界に入職しやすい環境づくりに力を入れる。カギを握るのが、ロボットの活用による職人の負担を軽減する取り組みだ。

[産経新聞]
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 建設業界ではロボットを活用した省人化や、人工知能(AI)の導入による作業効率の向上が喫緊の課題となっている。技能労働者の数がピーク時の平成9年に比べ約7割の水準まで減少するなど、担い手不足の問題が深刻化しているからだ。ゼネコン各社は、若年層が業界に入職しやすい環境づくりに力を入れる。カギを握るのが、ロボットの活用による職人の負担を軽減する取り組みだ。

photo 鹿島が導入した外壁材の取り付けをサポートするロボット=平成30年11月、名古屋市

 ■3分の1が55歳以上

 建設現場の担当者は「50歳以上の職人の姿ばかりが目立つようになった」と声をそろえる。日本建設業連合会(日建連)によると55歳以上の割合は約3分の1を占める一方、10〜20代の割合は約1割。労働時間が長いことなどが若年層に敬遠されがちなようだ。

 このままでは高齢化した職人の大量離職が顕在化するのは必至で、日建連では37年に128万人の人手不足が発生すると推計する。業界にとって、将来の担い手確保は急務で、そのためには他産業に劣らない労働環境を整える必要がある。とりわけ週休2日制の浸透が急がれ、それにはロボットの導入による合理化の推進が、重要な役割を果たすことになる。

 鹿島は建築工事の生産過程を大幅に変える「鹿島スマート生産ビジョン」を策定、9月の完成に向け施工中の「鹿島伏見ビル」(名古屋市中区)で本格運用を開始した。資材の運搬や鉄骨の溶接、外装部材の取り付けといった工程でロボット化を推進。複雑な調整が必要な作業は技能者で対応するなど、人とロボットの共生を目指す。作業の進捗(しんちょく)状況の確認といった単純業務は遠隔管理で対応できるようにする。一連の取り組みによって作業の種類は半減。生産性は3割向上する見通しで、37年までにすべての建築現場に導入する計画だ。

 押味至一(おしみ・よしかず)社長は「多くの若い人たちが建設業界に入ってくるようにするには、働き方がいかに変わっているのかを伝える必要がある。それには生産性の向上が不可欠」と強調する。

 清水建設も「シミズ・スマート・サイト」という次世代建築生産システムを本格導入した。内装多能工ロボットは6軸で自由に動き30キロの資材までをつかむことができ、天井ボードの取り付けなどを行う。ロボット化の推進に向け、AIセンターの設置や資金の積極投入によって周辺技術の間口を広げていく考えだ。

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