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» 2019年02月19日 06時00分 公開

3割を超え:人生100年時代に“超老老介護”の悲劇 便箋に「もうあかん」 (1/3)

70代の妻の首をネクタイで絞めて殺害しようとしたとして、殺人未遂罪に問われた夫(77)に対する裁判員裁判が平成31年1月、大阪地裁で開かれた。妻は認知症で、「老老介護」の末の思い詰めていたといい、地裁は「経緯は十分に酌むべき」として懲役2年6月、執行猶予4年(求刑懲役4年)を言い渡した。「人生100年時代」に突入しようとする中、介護を受ける側も担う側も75歳以上という「超老老介護」世帯も3割を超えた。専門家は「老老介護世帯が第三者に助けを求められる仕組みが必要だ」と訴える。

[産経新聞]
産経新聞

 70代の妻の首をネクタイで絞めて殺害しようとしたとして、殺人未遂罪に問われた夫(77)に対する裁判員裁判が平成31年1月、大阪地裁で開かれた。妻は認知症で、「老老介護」の末の思い詰めていたといい、地裁は「経緯は十分に酌むべき」として懲役2年6月、執行猶予4年(求刑懲役4年)を言い渡した。「人生100年時代」に突入しようとする中、介護を受ける側も担う側も75歳以上という「超老老介護」世帯も3割を超えた。専門家は「老老介護世帯が第三者に助けを求められる仕組みが必要だ」と訴える。

photo 老老介護の割合

便箋に「もうあかん」

 「お父さん何するの、やめて」

 公判資料などによると、事件は平成30年8月6日午後2時ごろ、大阪府門真市にあるUR団地の一室で起きた。夫が6畳和室で妻の首にネクタイを巻き付け、絞めた。

 その後、夫はベランダで自分の首を包丁で切りつけて自殺を図った。しばらくして妻は意識が戻り、ベランダで倒れていた夫を発見。妻は夫を助けてもらおうと、近所の人らに通報を呼びかけた。妻は、まぶたの鬱血(うっけつ)など2週間の軽傷を負った。

 公判で夫は起訴内容を全面的に認めた。検察側の冒頭陳述によると、25年にがんの手術をして以来、思い通りに体を動かせなくなったが、その2年後、妻が認知症になった。介護を続けていたが、日ごろから「つらい」「もうあかん」などと、便箋(びんせん)やノートにつづっていた。

 「2人とも持病がいっぱいある。ぼけたらみじめ。一緒に責任を果たす。1人になっても元気でがんばってよ」

 長女に宛てた「遺書」も見つかった。

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