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» 2019年03月06日 06時00分 公開

感染拡大に歯止めかからず:豚コレラ、輸出でワクチン接種に慎重 「あくまで最終手段」 (2/2)

[産経新聞]
産経新聞
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 農水省は現在、農林水産物・食品の31年の輸出額を1兆円にする目標を掲げ、海外需要に向けた「攻めの農業」に取り組んでいる。ワクチン接種を決めれば、こうした試みに水を差すのは必至だ。環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)や欧州連合との経済連携協定(EPA)の発効で、安価な輸入品が拡大し、国内農家を苦境に陥らせかねない。これに対して、農水省は輸出で光明を見いだそうとしている。豚肉に関しても、30年の輸出額(速報値)は前年比4.2%増の10億5500万円と金額ベースでは微増にすぎないが、今後、質の高さを売りに反転攻勢をかけようとしている。

 こうしたこともあり、農水省は、ワクチン接種に関しては現在、「時期尚早」との立場を崩していない。ひとまず、発生源ともされる野生イノシシへの餌ワクチンの散布を3月中旬から実施する。餌ワクチンはドイツから輸入して、春、夏、秋にそれぞれ8万個ずつを散布して様子をみる方針だ。

 ただ、これ以上、豚コレラの封じ込めに手こずれば、ワクチンの使用に踏み切る決断も必要になりそうだ。農水省は難しい判断を迫られている。   (経済本部 飯田耕司)

【用語解説】豚コレラ

 豚やイノシシ特有の家畜伝染病。発熱や食欲減退などの症状が現れる。感染力が強く、豚の糞尿(ふんにょう)や血が付いた衣服や長靴などを介しても拡散する。人にはうつらず、感染した豚の肉を食べても影響はない。感染豚の肉が市場に出回ることもない。国内では熊本県で平成4年に発生して以降、昨年9月に岐阜市内の養豚場で判明するまで確認されていなかった。

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