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» 2019年03月14日 06時00分 公開

5万の代理店網を活用:カーシェアに参入するSOMPOの真意とは (1/2)

SOMPOホールディングスがIT大手のDeNAと2月末に提携し、カーシェアリング事業を運営する新会社を共同で設立すると発表した。自動車保険を主力とする損害保険大手にとって、カーシェアの普及は既存の自動車保険の収益や販売代理店網を浸食しかねない「もろ刃の剣」だ。それでも、あえて突き進むのは、自動車保険の変革に先手を打ち、ビジネスモデルの転換を主導したいという思惑がある。

[産経新聞]
産経新聞

 SOMPOホールディングス(HD)がIT大手のDeNAと2月末に提携し、カーシェアリング事業を運営する新会社を共同で設立すると発表した。自動車保険を主力とする損害保険大手にとって、カーシェアの普及は既存の自動車保険の収益や販売代理店網を浸食しかねない「もろ刃の剣」だ。それでも、あえて突き進むのは、自動車保険の変革に先手を打ち、ビジネスモデルの転換を主導したいという思惑がある。

photo 協業する個人間カーシェアサービスはスマホで手軽に貸し手と利用者をマッチングする=2月28日、東京都新宿区

 ■5万の代理店網を活用

 「カーシェア市場をさらに活性化するためにSOMPOと組む」。記者会見でDeNAの南場智子会長は力強く語った。

 新会社はDeNAが展開している「Anyca(エニカ)」という個人間のカーシェアサービスを引き継ぐ。スマートフォンのアプリを通じ、車の所有者と利用したい人をつなげるサービスで、所有者は利用料金を得られる。SOMPOHDが持つ全国5万店の代理店網を活用し、利用者の拡大につなげる。

 また、両社はカーリースの新会社も設立し、車を持っていない人に一定期間リースして、カーシェアの貸し手として登録してもらうサービスも6月から始める。リースした車を使わない時間に他人に貸し、少ない負担で車を持てる仕組みをつくりたい考えだ。

 「不安を取り除くことに実績のあるSOMPOHDとともに歩みたい」。DeNAの南場会長は提携の狙いを述べた。同社は自動車分野を主力のゲームに次ぐ新たな収益源に育てる青写真を描く。2015年9月に始めたカーリース事業は先行投資がかさみ赤字だが、リアルな販売網に強みあるSOMPOと組むことで、収益力を高めることができるとみている。

 一方、SOMPOHDにはDeNAとの提携はどのようなメリットがあるのか。西沢敬二取締役(損保ジャパン日本興亜社長)は自動運転の普及による事故の減少やカーシェアの台頭で「保険の在り方や仕組みが変わる」との見方を示した上で「新分野に進出しなければ、保険がどんどんなくなっていく」と指摘した。

 SOMPOは今後、カーシェア向けの自動車保険を開発する。所有者が車を貸し出している時間に応じて保険料を割り引く商品などを検討している。さらにカーシェアを利用する顧客のニーズなどに関するデータを蓄積し、今後の商品やサービスの開発にも生かしていきたい考えだ。

 ■自らビジネスモデルを破壊?

 もっとも、今回の提携でSOMPOHDはカーシェア向けの保険の開発や提供にとどまらず、カーシェア事業自体をDeNAと共同で運営することになる。カーシェアを促進すれば、その分、既存の自動車の保有者向けの保険が売れなくなる可能性や「販売代理店であるディーラーの事業領域を侵す」(関係者)と懸念する声もあがる。

photo 提携会見で握手するDeNAの南場智子会長(左から2番目)とSOMPOHDの西沢敬二取締役(損保ジャパン日本興亜社長、左から3番目)=2月28日、東京都新宿区
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