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» 2019年03月19日 06時00分 公開

日本の司法制度のあり方に厳しい視線:「ゴーン被告保釈」を海外紙はどう報じたのか (1/3)

会社法違反(特別背任)などの罪で起訴された日産自動車の前会長、カルロス・ゴーン被告が6日、東京拘置所から保釈された。保釈金10億円を納付し、住居の出入り口には監視カメラを設置することや、インターネットの使用制限など厳しい保釈条件が付いた。だが、昨年11月の逮捕以降、身柄拘束は108日に上り、多くの海外メディアは、ゴーン被告よりも日本の司法制度のあり方に厳しい視線を向けている。

[産経新聞]
産経新聞

 会社法違反(特別背任)などの罪で起訴された日産自動車の前会長、カルロス・ゴーン被告が6日、東京拘置所から保釈された。保釈金10億円を納付し、住居の出入り口には監視カメラを設置することや、インターネットの使用制限など厳しい保釈条件が付いた。だが、昨年11月の逮捕以降、身柄拘束は108日に上り、多くの海外メディアは、ゴーン被告よりも日本の司法制度のあり方に厳しい視線を向けている。

photo 保釈された6日夜、弁護士事務所を出るカルロス・ゴーン被告=東京都千代田区(古厩正樹撮影)

 □リベラシオン(フランス)

 ■国際的圧力の作用は確実

 6日付仏紙リベラシオンは、カルロス・ゴーン被告の保釈決定について「国際的圧力が働いたのは確実だ。勾留の長期化は、世界中で、特に人権団体から批判されていた」と論じた。同紙は「日本では自白を拒む被告については、証拠隠滅や国外逃亡を防ぐため、勾留を続けるのが通例だ」として、保釈は異例の決定だと説明した。弘中惇一郎弁護士の選任が「早々に成果を生んだ」と論じたうえで、弘中氏は「カミソリ」の異名を持ち、無罪請負人として知られていると紹介した。

 7日付仏紙フィガロも「ゴーン被告のばくちがあたった」として、保釈決定は弁護人の手腕だと評した。保釈決定は「この国の司法のあり方に、抜本的な影響を与えるだろう。無実を主張するすべての被告のための前例を作った」として、自白を重視し「人質司法」と呼ばれる日本の司法制度に一石を投じたとの見方を示した。「運命の皮肉というべきか。ゴーン被告は日産自動車を破綻から救っただけでなく、自分をさらし者にした国の司法制度を変えたことで、日本人の記憶にとどまるだろう」と報じた。

 一方、フィガロは、保釈されたゴーン被告が「ルノーと日産の交渉を揺るがすかもしれない」と予測した。「彼の戦略は『謀略』を訴えること。謀略の仕掛け人は日本のメーカー(日産)の指導部とみられる。西川広人社長は取締役として起訴状にかかわる決定を承認しており、ゴーン被告は彼の責任を示す可能性がある」と分析。そうなれば、ルノーとの摩擦を生むと伝えた。

 7日付仏経済紙レゼコーは「ゴーン被告のイメージ戦争」という表題で、保釈時の変装の意図に注目。「彼が重視するのは失われた名誉の回復だ。勾留でやせ細り、疲れた姿を撮られないようにするため、マスクで顔を隠した。公の場で発言するため、健康が回復する時を待っている」と分析した。(パリ 三井美奈)

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