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» 2019年03月19日 06時00分 公開

日本の司法制度のあり方に厳しい視線:「ゴーン被告保釈」を海外紙はどう報じたのか (2/3)

[産経新聞]
産経新聞

 □ウォールストリート・ジャーナル(米国)

 ■法的手続きにわずかな前進

 ゴーン被告の保釈を東京地裁が認めたことについて、6日付米紙ウォールストリート・ジャーナルは社説で「日本の法的手続きにとって、わずかながらも前進ではある」と突き放した評価を下した。同紙は1月に掲載した「不思議の国のゴーン」と題した社説でも、ゴーン氏の勾留の長期化や、「勾留を続けるために別の容疑を積み上げる」検察当局の手法を批判した。今回も「正義はどこに?」と問いかけ、日本の刑事司法制度に再び疑義を投げかけた。

 ゴーン被告の場合、起訴内容を否認した被告の保釈を公判前整理手続きが始まる前に裁判所が認めたのは異例だとされる。同紙は、裁判所の決定の背景をめぐり、「ひょっとすると日本人は、自動車業界を象徴する人物に過酷な扱いをしたことで、日本の司法制度がほとんど第三国(発展途上国)並みのものとみられていることを、理解し始めたのかもしれない」と指摘した。さらに「検察官は弁護士の立ち会いがないまま、何カ月もゴーン氏の尋問を続けてきた」と改めて非難。長期にわたって取り調べても、検察側が説得力のある主張を展開できていないと述べる。

 同紙は、有価証券報告書への報酬の過少記載や、私的な投資の損失を日産に付け替えたとされる起訴内容について、ゴーン被告側の反論も紹介。一連の問題は「ある企業トップの行動をめぐる(身内の)いざこざみたいなもの」として、「法廷ではなく役員室で対処できた」と断じている。

 社説は、ゴーン被告の家族が日本の「中世のような規則」を非難し、国連人権理事会の「恣意(しい)的勾留に関する作業部会」に訴える準備を進めていたと説明した。6日付米紙ワシントン・ポストも、ゴーン被告の弁護団が「人質司法」と呼ばれる日本の問題点を国際的に訴える構えをみせている点に触れている。今後、公判で弁護側が国際的な世論を味方につけたい思惑も見え隠れしている。(ワシントン 塩原永久)

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