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» 2019年04月16日 06時00分 公開

欧米の最近の映画業界のブーム:「ボヘミアン・ラプソディ」に続け 欧米でロック系伝記映画が続々登場 (1/4)

今週ご紹介するエンターテインメントは、エンタメのど真ん中、映画に関するお話でございます。

[産経新聞]
産経新聞

 今週ご紹介するエンターテインメントは、エンタメのど真ん中、映画に関するお話でございます。

 1970年代から80年代に大活躍した英国バンド、クイーンの栄光と葛藤(かっとう)の日々を描き、全世界で爆発ヒットした映画「ボヘミアン・ラプソディ」(ブライアン・シンガー監督)。昨2018年10月(米国は11月)の公開当初は批評家から厳しい評価が相次ぎましたが、結局、全世界で約8億9633万ドル(約990億円、米調査会社ボックスオフィスモジョ調べ)を稼ぐ異例の大ヒットを記録。

 日本でも昨年11月9日の公開から75日目となる1月22日までに興収100億円の大台を突破。米ディズニーアニメの実写映画「美女と野獣」(ビル・コンドン監督、2017年、約124億円)を抜き、国内の音楽・ミュージカル映画で歴代1位となりました。

 この大ヒットに続けとばかり、欧米ではこれから、大物ミュージシャンやロッカーが題材の伝記映画が続々登場します。今回の本コラムでは、そんな欧米の最近の映画業界のブームについて説明します。

photo 「ボヘミアン・ラプソディ」に続け 欧米でロック系伝記映画が続々登場(イメージ)
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■軽く100億円……超大物エルトン・ジョン、あの映画タイタニックの歌姫、そして

 これまで欧米でも日本でも、音楽系の伝記映画は大ヒットしないと言われてきました。基本、コアな音楽ファンにしかアピールしないからです。

 盲目の米歌手レイ・チャールズの伝記映画で、チャールズを演じた米俳優ジェイミー・フォックスがアカデミー賞で主演男優賞に輝いた「Ray/レイ」(テイラー・ハックフォード監督、2004年)でも、米での興行収入は約7500万ドル(約83億円)で、大ヒットの目安である1億ドル(約110億円)には届かず。

 ところが、米の伝説的なヒップ・ホップ・グループ「N.W.A」が題材の伝記映画「ストレイト・アウタ・コンプトン」(F・ゲイリー・グレイ監督、2015年)が、優れた脚本や簡潔な物語展開に加え、N.W.Aというグループを誠実に描写していることなどが受け、米で公開初週にいきなり6000万ドル(約66億円)を稼ぎ、最終的に1億6000万ドル(約177億円)という大ヒットを記録します。

 欧米の映画業界では、このヒットを機に考え方が変わってきたのですが、当のミュージシャンやバンド側は、自分たちが題材の伝記映画の製作には乗り気ではありませんでした。

 理由は簡単。楽曲の権利関係の精査など煩雑(はんざつ)な手間がかかる割には、コアなファンの間で話題になるだけ……。

 ところが「ストレイト・アウタ・コンプトン」と「ボヘミアン・ラプソディ」の異例の大ヒットで「こんなに儲かるなら」と、考え方が変わってきたようです。

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