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» 2019年04月22日 06時00分 公開

佐藤優の世界裏舞台:ブラック企業の見分け方 (1/2)

毎年、この時期になると若い人たちから転職の相談を受ける。「私が働いている会社はブラック企業だと思うのです。早く転職しないと潰されてしまいます」という相談が一番多い。そういう相談に対して筆者は、「ブラック企業なのか、教育が厳しい会社なのかは、社会に出たばかりのあなたにはわからないよ。ただしブラック企業の見分け方はある」と言って、筆者の考えを伝える。

[産経新聞]
産経新聞

 毎年、この時期になると若い人たちから転職の相談を受ける。「私が働いている会社はブラック企業だと思うのです。早く転職しないと潰されてしまいます」という相談が一番多い。そういう相談に対して筆者は、「ブラック企業なのか、教育が厳しい会社なのかは、社会に出たばかりのあなたにはわからないよ。ただしブラック企業の見分け方はある」と言って、筆者の考えを伝える。

photo 佐藤優氏(寺口純平撮影)

 自分が知っている会社の先輩を、入社5年目、10年目というように5年刻みで30年目までノートに書き出してみる。その上で、尊敬できる人がいるかどうか、よく考えてみる。尊敬できる人が1人もいない場合には、その企業や役所がブラックであるか、自分がその職場の文化に全く合わないので転職を考えた方がいい。1人だけでも尊敬できる先輩がいれば、その人をロールモデルにして頑張ることを勧める。

 厚生労働省のHPによると、平成27年3月卒業の新卒就職者の1年以内の離職率は大学卒で11.9%、高校卒で18.2%、3年以内だと大学卒で31.8%、高校卒で39.3%になる。過去20年を見てみると、高卒者の3年以内の離職率は10%程度低くなっているが、大卒者は同水準で推移している。

 日本では、いまだ新卒者の一括採用が主流だが、企業からすれば「お試し入社」で入ってくる人が大卒者で3割、高卒者で4割もいるのだから、研修に対して割くエネルギーは必然的に小さくなる。

 高度な専門性を要する職業、総合職として企業や役所の幹部になることが想定される若手職員に対しては、新人時代の研修が死活的に重要になる。しかし、新卒者の離職率がこれだけ高く、しかも働き方改革で定時退社が奨励されている状況では、若手の研修はきわめて難しくなっている。

 筆者は外交官だった。外務省から英国の陸軍語学学校でロシア語の研修を明示された。学校内の寮に住み込み、朝8時から12時までは文法の授業、午後1時から3時までは会話の訓練があった。その後、6時間くらい机に向かわないと処理できない宿題が出た。毎週、試験があるので宿題に加え、2、3時間は勉強しなくてはならない。この訓練を10カ月間受けたことでロシア語の基礎を叩(たた)き込まれた。

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