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» 2019年05月07日 00時00分 公開

熱いメッセージの発信力:令和2年卒の学生に魅力を感じてもらうには? 発信力がカギ (1/2)

令和2(2020)年卒大学生の就職活動は学生優位の売り手市場で進み、知名度が低い中小企業にとって厳しい採用環境が続く。会社説明会を開いても学生は集まらず、内定を出しても辞退され、人手不足は中途採用で補うしかないとあきらめムードも漂う。こうした中、一緒に働きたいと思われる社長の人柄で魅了するよう促したり、長期インターンシップ(就業体験)で会社の面白さを喚起したりして奮起を促す人材コンサルティング企業が現れた。成長機会を求める学生にアピールする戦略だ。

[産経新聞]
産経新聞

 令和2(2020)年卒大学生の就職活動は学生優位の売り手市場で進み、知名度が低い中小企業にとって厳しい採用環境が続く。会社説明会を開いても学生は集まらず、内定を出しても辞退され、人手不足は中途採用で補うしかないとあきらめムードも漂う。こうした中、一緒に働きたいと思われる社長の人柄で魅了するよう促したり、長期インターンシップ(就業体験)で会社の面白さを喚起したりして奮起を促す人材コンサルティング企業が現れた。成長機会を求める学生にアピールする戦略だ。

学生がリアルに審査

 「意志の強さや情熱で会社を引っ張る社長はチャーミング。知名度の高い大企業を目指しがちだが、社長の魅力で選ぶのもありかなと思った」

 4月10日、東京・虎ノ門で開かれた、「学生が選ぶチャーミングな社長 ナンバーワン決定戦」と銘打ったコンテスト。学生審査委員を代表し、田代葵さんはこう論評し、今の学生が求める一つの会社像を示した。選定ポイントは成長機会を積極的に提供してくれる職場環境であり、それを牽(けん)引(いん)する社長の器だ。

 コンテスト当日は、5人のファイナリストが、約650人の学生、社長らの前でプレゼンテーションした。最もチャーミングな社長に選ばれたサラダボウル(山梨県中央市)の田中進代表取締役は「(審査委員から名付けられたキャッチコピー)『農業界のファーストペンギン』らしく、仲間と新しい時代を切り開いていく。農業の新しいカタチに挑戦しており、若い人には失敗できるチャンスを与えて成長を促したい」とあいさつした。

 コンテストを主催したESSPRIDE(エスプライド、東京都渋谷区)の西川世一代表取締役は「学生はお金を稼ぎたくて会社を選ぶわけではない。仕事を通して成長を実現できるかどうか。リーダーの生き方であり、人物像で選ぶ」と指摘する。情報収集能力にたけた学生はシビアに企業を見ており、社長はリアルな姿をさらけ出すべきだという。

 ファイナリストの1人だった葬祭サービス業、八光殿(大阪府八尾市)の松村康隆社長は「失敗できない仕事に自信と誇りをもち、究極のサービスを提供していると学生に話している。ある学生は『究極のサービスに気づいた』と言って、決まっていたホテルを辞退して入ってくれた」と話す。学生から「経営理念を聞いて苦労してきた社長と分かり、ついて行きたいと思った」と評価された。

 「お客さまに寄り添う覚悟が、一緒に働きたいという気持ちにさせられる」と認められたのは、エン婚活エージェント(東京都新宿区)の間宮亮太社長。「就活の土俵にすらあげてもらえず苦労したが、学生に発信してこそ新しいメンバーを得られることが分かった。これを機にその機会をつくりたい」と前向きにとらえる。

 「就職は結婚と同じ。面接など計5〜6時間会って、一方通行の話を聞いて決めるべきではない」。こう言い切るのは新卒採用コンサルティングを手掛けるLegaseed(レガシード、同港区)の近藤悦康代表取締役。近藤氏は、売り手市場が続く中、とりあえず内定を出して意思決定を迫る企業が増加していることを懸念する。相手がその気になっていないのにプロポーズしているようなもので、ミスマッチにつながりかねないと考えている。

 売り手市場とはいえ、求人倍率は学生に人気の有名企業で0.3〜1倍と競走は激しい。これに対し中小企業は9.9倍。知名度が低い中小企業を初めから第1志望にする学生は少ない。

 そこで、近藤氏はインターンシップの活用を勧める。「長期インターンで、学生側が会社を理解するための時間を設けると、就職したい気持ちが醸成されていく」(近藤氏)というわけだ。入社後の定着率も高まる。

チャーミングな社長ナンバーワン決定戦のファイナリスト5人。中央がチャンピオンに輝いたサラダボウルの田中進代表取締役=4月10日、東京・虎ノ門
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