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» 2019年05月13日 06時00分 公開

宇宙開発の“本丸”:民間ロケット成功も険しい道のり 衛星打ち上げは国内外にライバル (1/2)

北海道大樹町の宇宙ベンチャー「インターステラテクノロジズ」が今月4日、小型ロケットの打ち上げに成功した。同社は今後、超小型衛星の打ち上げ市場への参入に向け、新型ロケットの開発を本格化する。ライバルは国内外に存在し、技術的な難度も格段に上がるが、人工衛星打ち上げは宇宙開発の“本丸”だ。さらなる高みに進めるか、同社の正念場は今後も続く。

[産経新聞]
産経新聞

 北海道大樹町の宇宙ベンチャー「インターステラテクノロジズ」が今月4日、小型ロケットの打ち上げに成功した。同社は今後、超小型衛星の打ち上げ市場への参入に向け、新型ロケットの開発を本格化する。ライバルは国内外に存在し、技術的な難度も格段に上がるが、人工衛星打ち上げは宇宙開発の“本丸”だ。さらなる高みに進めるか、同社の正念場は今後も続く。

エンジン出力は桁違い

 4日早朝に大樹町から打ち上げられた小型ロケット「MOMO(モモ)」3号機は、4分ほどで高度100キロの宇宙空間に到達後、予定通り落下して北海道沖の太平洋に着水した。民間単独で宇宙空間に到達したのは日本で初めてだった。

 同社はMOMOを商業機と位置づけ、量産化して打ち上げを継続。地上とは異なる環境での科学実験や、広告目的での打ち上げなどの活用法を想定している。

 今後の焦点となるのが、2023年の初打ち上げを目指す超小型衛星用の新型ロケット「ZERO(ゼロ)」の開発だ。

 ZEROは重さ100キロの人工衛星を高度500キロの地球周回軌道に投入。機体は液体燃料を用いた2段式で全長22メートル、直径1.8メートル、重さ36トンとなる。

 MOMOの機体が全長10メートル、直径50センチ、重さ約1トンだったことを考えると、大きさの違いは歴然だ。

 MOMOのように高度100キロまで重さ20キロの荷物を一時的に運ぶだけなら、比較的小さなエネルギーで良かった。これに対し、人工衛星の軌道投入を行うZEROは、MOMOに比べて打ち上げ高度が約5倍、速度も5倍程度の秒速約8キロまで出す必要がある。

 その結果、ロケットエンジンの出力はMOMOの約50倍と桁違いで、開発のハードルはとても高い。このことは同社も認識しており、多くのロケットを打ち上げている宇宙航空研究開発機構(JAXA)の協力も得ながら開発を進めることにした。

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