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» 2019年05月23日 06時00分 公開

副業:逆風の紳士服 はるやまの勝負手は (1/2)

紳士服大手の業績が悪化している。大手4社の2019年3月期連結決算は、全社が減収減益に陥った。こうした中、はるやま商事はスーツ販売以外の収益で底支えしようと、“副業”を本格化させている。

[産経新聞]
産経新聞

 紳士服大手の業績が悪化している。今月14日に出そろった大手4社の平成31(2019)年3月期(コナカは平成30年10月〜31年3月期)連結決算は、全社が減収減益に陥った。ビジネススタイルの変化で紳士用スーツの販売減が続く中、昨年は天候不順で消費が冷え、自宅勤務を含めた「働き方改革」の逆風も吹いた。こうした中、はるやま商事(岡山市)はスーツ販売以外の収益で底支えしようと、“副業”を本格化させている。

ママ友同士がお茶

 「どういう服装がビジカジ(ビジネスカジュアル)か、どんなスタイルをしたらいいのか、まだ誰も分かっていない」

 今月14日にあった決算発表で、はるやま商事の伊藤卓社長は反省を込めてこう話した。同社の親会社、はるやまホールディングス(同)は31年3月期、最終損益は2億円の赤字。8期ぶりの赤字転落となった。

 “スーツ離れ”で市場が縮小するなか、紳士服業界が新しいスタイルを打ち出せるかどうかは課題だ。クールビズ導入以来、単にネクタイを外すだけではない、ビジネスファッションが模索されているが“定番”は育っていない。

 逆にカジュアル衣料品業界が、ビジネス用途で使える服を打ち出しており、競争は激化する一方だ。

 こうした中、はるやま商事では昨年から今年にかけ、熊本県、岡山県の幹線道路沿いの店舗4カ所で、理容室やクリーニング店、カフェなどを呼び込んだ複合施設「ほっとひと息ステーション」を併設した。

photo 理容店、カフェなどの入る複合施設を併設した「はるやま」の店舗=岡山市

 一見客も使えるが、会員(会費月額500〜1500円)になると、散髪やクリーニングなどが1〜3割引きになるほか、店内の商品(一部除く)が1割引きになるなどの特典がある。

 この取り組みは、会費をサブスクリプション(定期的な収入)として拡大させる狙いのほか、紳士服の購入以外の用途で店舗にも立ち寄ってもらい「ついで買い」をうながす仕掛けでもある。

 伊藤社長は「まだ実験的に行っている段階だが、クリーニング店やカフェでは、男性客のみならず『ママ友』同士が過ごしているのを見かけることもある」と、客層の厚みに手応えを示す。成果を踏まえて今後、他地域にも拡大させる考えだ。

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