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» 2019年06月21日 06時00分 公開

松下幸之助が妻を案じて興したと伝えられる「補聴器事業」 60年迎え性能飛躍 (1/3)

パナソニックの補聴器事業が今月、60周年の節目を迎えた。高齢社会で利用者の増加が想定される中、今後も製品とサービスの両面で、難聴に苦しむ人々をサポートしていく考えだ。

[産経新聞]
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 パナソニックの補聴器事業が今月、60周年の節目を迎えた。専業メーカーが多い業界で、電機大手ならではの音響技術で強みを発揮。「街の電器店」を通じた販売やアフターサービスにも力を入れてきた。高齢社会で利用者の増加が想定される中、今後も製品とサービスの両面で、難聴に苦しむ人々をサポートしていく考えだ。(林佳代子)

photo 創業60年を記念して開催された「松下電器技術展」で骨導型補聴器を試す松下幸之助相談役(当時)=昭和53年9月、東京都港区

IoT対応モデルも

 パナソニックの補聴器の起源は昭和33年にさかのぼる。社史に残っておらず正確な経緯は不明だが、創業者で当時社長だった松下幸之助が、耳の聞こえが悪くなった妻、むめのさんを案じて開発を命じたのがきっかけとの言い伝えがある。

 翌34年には1号機となる「ポケット型補聴器」を発売。50年代後半には、耳の後ろの骨を振動させて音を伝える「骨導めがね型」、胸ポケットに差し込んで使う「ペン型」などを展開した。

 補聴器にデジタル化の波が押し寄せた平成以降は、パナソニックがオーディオ機器で培った音声信号処理のノウハウを投入。周囲の雑音を極力排除したり、難聴者が聞き取りにくい高周波数帯の音量を大きくしたりする技術で、製品の性能を飛躍的に向上させた。

 携帯電話の充電スタンドからヒントを得た業界初の充電式ポケット型補聴器「ONWAモデルJJ」は、平成21年に発売してから累計約2万台を出荷。家電のIoT(モノのインターネット)対応が進む近年は、電話やテレビとワイヤレスでつながる製品を取りそろえている。

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