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» 2019年07月29日 06時50分 公開

五輪渋滞対策 「カギ握る需要予測」「テレワークが効果的」  (1/4)

2020年東京五輪・パラリンピックの開催までいよいよあと1年に迫ってきた。課題は道路、鉄道ネットワークの交通輸送対策だ。大会組織委員会や都などは大会の円滑運営と都市活動の維持という2つの目標を掲げ、今夏、本番で実際に採用される、さまざまな渋滞混雑緩和策を試そうとしている。

[産経新聞]
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 2020年東京五輪・パラリンピックの開催までいよいよあと1年に迫ってきた。課題は道路、鉄道ネットワークの交通輸送対策だ。大会組織委員会や都などは大会の円滑運営と都市活動の維持という2つの目標を掲げ、今夏、本番で実際に採用される、さまざまな渋滞混雑緩和策を試そうとしている。交通経済研究所調査研究センターの永瀬雄一さんと東京海上日動リスクコンサルティングの川口貴久さんにポイントなどを聞いた。

永瀬氏「カギ握る交通需要予測」

――2012年ロンドン大会での交通輸送対策を検証した

 「ロンドンは東京と同様に人口密度が高く、交通インフラも整備された成熟都市だ。ロンドン大会の交通輸送の最重要課題も、選手や関係者をスムーズに会場に送り届けるために、既存の交通システムをいかにうまく運用するかがカギだった。そのために、まず、期間中の交通機関の混雑状況を予測することに力を注いだ」

――交通需要の予測を重視したのはなぜか

 「大会前には鉄道の延伸や地下鉄の車両を増設する設備投資も行われた。さらに、運行時間の延長、五輪関係者が通る優先レーンの設置などの施策も講じられた。これらの対策を十分に生かすため、前提となる交通需要の綿密な予測を、何よりも優先して実施したということだ」

――予測した混雑状況に応じた具体的な対策は

 「ロンドン市交通局によって、大会関係者が通行する道路の信号機を優先的に青にする運用も行われた」

――市民や企業の理解を得るために何をしたのか

 「一般市民に対しては、大会期間中は、『不要な移動は行わない』『自家用車の利用を避ける』などを求めるキャンペーンを実施した。企業には、550社60万人以上を対象にワークショップを開催し、混雑回避に向けた理解の醸成に努めた。企業の協力がどの程度見込めるかという情報が予測に反映され、対策の精度を高めていった」

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