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» 2019年08月06日 06時00分 公開

これでは世界の笑いもの 「老後2000万円問題」で野党が追及すべきだった視点 (1/2)

95歳まで生きるには夫婦で2000万円の蓄えが必要とした金融庁金融審議会の報告書問題。この報告書には、世界では“常識”となっている重要な視点が抜け落ちていることに気付かされる。野党が本当に追及すべきだった重要な視点とは…。

[産経新聞]
産経新聞

 95歳まで生きるには夫婦で2000万円の蓄えが必要とした金融庁金融審議会の報告書問題。参院選前に野党は「最大の争点になる」(立民幹部)と踏んでいたが、投票を分けるような議論には至らず、選挙後はほとんど話題にもなっていない。ただ、改めて報告書を読み返すと、この報告書には、世界では“常識”となっている重要な視点が抜け落ちていることに気付かされる。野党が本当に追及すべきだった重要な視点とは…。

 「年金の話は朝日が期待するほど盛り上がらなかったね」。6月23日に行われた記者会見で、麻生太郎金融担当相は朝日新聞の記者の質問に、皮肉たっぷりに答えた。産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が行った合同世論調査でも、参院選で金融庁の報告書への政府対応を考慮するかどうかについては、期日前投票を済ませた人も含め「考慮しない・しなかった」が55.2%と過半数を占めた。

photo 金融庁が入る中央合同庁舎第7号館

 年金だけでは老後資産をまかなえない可能性があるということは、多くの人にとっては周知の事実で、野党の執拗(しつよう)な攻撃を、多くの有権者が冷めた目で見つめていたことがうかがえる。麻生氏も、選挙戦で多くの有権者の意見を聞く中で「不足するという人もいれば年金で十分という人もいて、受け止めはいろいろだというのが、率直な実感だ」と語った。

 与野党から厳しい指摘を受け、一時は重たい雰囲気に包まれていた金融庁内からも「役所が作った文書で、これほど読まれたものはない」と、前向きな意見も聞こえ始めている。思わぬ形で“炎上”したが、その結果として金融庁が本来伝えたかったメッセージも広がっているからだ。報告書を素直に読めば、長寿化が進む人生100年時代において、「これまでより長く生きる以上、多くのお金が必要となる」と呼びかけている考えがよく分かる。

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