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» 2019年08月09日 18時43分 公開

GDP速報値 市場予測上回るも、「本当に厳しいのは10〜12月」

 4〜6月期の実質国内総生産(GDP)速報値は、個人消費や設備投資など内需の堅調さを支えに3四半期連続のプラス成長を確保し、市場の事前予測を上回る強い結果だった。ただ、原動力の一つとなった個人消費は改元に伴う10連休など一過性の要因で押し上げられた側面もある。景気の先行きについては、10月に控える消費税増税後の消費動向が懸念されるほか、泥沼化する米国と中国の対立が企業の設備投資意欲などに影を落としかねない。

[産経新聞]
産経新聞

 4〜6月期の実質国内総生産(GDP)速報値は、個人消費や設備投資など内需の堅調さを支えに3四半期連続のプラス成長を確保し、市場の事前予測を上回る強い結果だった。ただ、原動力の一つとなった個人消費は改元に伴う10連休など一過性の要因で押し上げられた側面もある。景気の先行きについては、10月に控える消費税増税後の消費動向が懸念されるほか、泥沼化する米国と中国の対立が企業の設備投資意欲などに影を落としかねない。

 3四半期連続のプラス成長を演出したのは、GDPの約6割を占める個人消費だ。前期比0.6%増は、平成29年4〜6月期(0.8%増)以来の高い伸び。新車効果やエアコンの販売好調に加え、10連休で宿泊や輸送などが活発化した。内閣府幹部は「所得が増加する中、消費が緩やかに持ち直している」と話す。

 内需のもう一つの柱である設備投資も、人手不足に対応するための省力化投資などが持続。1.5%増と1〜3月期(0.4%増)から伸び率が加速した。

 輸出は、中国経済の減速や半導体関連需要の調整を背景に弱い動きが続いた。輸入も、1〜3月期に急減した反動から増加に転じ、計算上は成長率を押し下げた。それでも、堅調な内需が振るわない外需を補い、プラス成長とした形だ。

 ただ、先行きについては懸念材料が少なくない。

 個人消費を押し上げた10連休効果はあくまで一時的で、7〜9月期にははげ落ちる可能性が高い。足元では消費者心理も厳しく、内閣府の消費動向調査では向こう半年間の消費者心理を示す消費者態度指数が7月まで10カ月連続の悪化だ。

 こうした中、消費税増税まで2カ月を切った。政府はキャッシュレス決済でのポイント還元やプレミアム商品券などの手厚い対策を講じていると強調するが、「それでも(個人消費は)一定の下押し圧力は受けざるを得ない」と、第一生命経済研究所の新家義貴主席エコノミストは語る。

 海外では、米中が貿易やハイテク覇権だけでなく為替でも対決姿勢を強めている。世界の国内総生産(GDP)の約4割を占める米中の対立激化は世界経済の減速懸念をあおり、先行き不透明感の高まりから企業の設備投資を抑制しかねない。ただでさえ回復の動きが鈍い輸出を一段と下押しすることにもつながる。

 先行きについて、新家氏は「メーンシナリオとしては、綱渡り状態ながらも何とか失速は回避されるとみているが、リスクは明らかに下振れだ。消費税増税後の景気動向には十分な警戒が怠れない」と話した。

 三菱UFJリサーチ&コンサルティングの小林真一郎主席研究員も「7〜9月期はプラス成長になると思われるが、本当に厳しいのは10〜12月になりそうだ」と指摘。「駆け込み需要の反動減に加え、消費者心理の悪化や企業業績の下振れなどのマイナス要因がふくらめば、内需が想定以上に悪化する可能性がある」との見方を示す。景気は楽観を許さない状況が続く。(森田晶宏)

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