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» 2019年08月20日 12時25分 公開

予想外の驚き求めて NHK「ドキュメント72時間」、テレ東「家ついて行ってイイですか」の舞台裏 (1/3)

成り行き任せの進行による予想外の結末や感動、驚きに人気が集まっている。NHKのドキュメンタリー「ドキュメント72時間」、テレビ東京のバラエティー「家、ついて行ってイイですか?」はそんな番組の代表格だ。共通しているのは「リアルな日常を撮りたい」という強い思い。舞台裏をうかがった。

[産経新聞]
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 事実を装った「やらせ」はもちろん、「過剰な演出」にも反感を抱く視聴者が多い中、成り行き任せの進行による予想外の結末や感動、驚きに人気が集まっている。NHKのドキュメンタリー「ドキュメント72時間」(金曜夜10時50分)、テレビ東京のバラエティー「家、ついて行ってイイですか?」(水曜夜9時)はそんな番組の代表格だ。共通しているのは「リアルな日常を撮りたい」という強い思い。舞台裏をうかがった。(三宅令)


 3日間連続でカメラを回し、市井の人々の生活を定点観測するNHKのドキュメンタリー「ドキュメント72時間」。チーフ・プロデューサーの植松秀樹氏は「普通の人の『今』という時代を、ありのまま切り取りたい」と話す。

 「撮影を始めたら何があっても72時間止まらず、絶対に放送する」がモットー。事前の仕込みや撮り直しがないため、ハプニングもある。富山湾でホタルイカを取材した際には、予定した光り輝くイカの群れは3日間現れず。最終的にイカは近場のほたるいかミュージアムで撮った。「その翌週に群れが来たらしい」

photo 「ドキュメント72時間」。30日に放送予定の次回の舞台は、沖縄県にある自動車学校だ(NHK提供)

 最も気を使うのは観測場所の選定だ。「作り手の作為が見えない場所がいい」。例えばコインランドリーを取材した回では、制作会議で候補に上がっていた宮城県石巻市、東京都葛飾区柴又など「いかにもドラマが見込めそうな場所」を差し置いて、神奈川県茅ケ崎市の大型コインランドリーという変哲のない場所が選ばれた。

 「石巻市なら復興、柴又なら人情というように、先入観や色、『テーマ』がついてしまう」といい、「制作側の下心、作為が見えるのは避けたい」と話す。「伝えたいテーマ」ありきの一般的な制作手法からは離れているが、番組は根強い支持を得ている。視聴者から企画募集をしたところ、年間5000通もの候補案が集まったほどだ。「今『テレビがうるさい』とよく言われる。嫌がられているのは、制作側の上から目線の押しつけなのだろう」と分析する。

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