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» 2019年09月02日 06時00分 公開

リクナビ問題:「個人情報どう使われた?」就活生に広がる不信 (1/2)

就職情報サイト「リクナビ」を利用した学生の内定辞退率を予測したデータが無断で企業に販売されていた問題で、政府の個人情報保護委員会は、サイトを運営するリクルートキャリアに組織体制の見直しなどについて勧告し、同社が謝罪する事態となった。

[産経新聞]
産経新聞

 就職情報サイト「リクナビ」を利用した学生の内定辞退率を予測したデータが無断で企業に販売されていた問題で、政府の個人情報保護委員会は、サイトを運営するリクルートキャリア(東京)に組織体制の見直しなどについて勧告し、同社が謝罪する事態となった。就職活動中の学生にとっては人生を左右しかねない個人情報が軽く扱われたことになり、成長が見込まれるビッグデータを活用する「データビジネス」にも影響を与えそうだ。

 サイトで企業情報を調べたり、説明会に申し込んだりする就職活動が人工知能(AI)に分析され、知らぬ間に「内定を蹴る可能性」のデータとして企業側に渡されていた。内定辞退率はリクナビの閲覧履歴などから5段階で予測され、企業に販売されていた。

 同社によると、リクナビに登録した学生のうち、内定辞退率のデータ算出に用いたのは7万4878人分の情報だったという。同社はデータを「合否判定に使った企業は1社もない」と説明しつつ、情報を提供した企業名やデータの総数は明らかにしなかった。

 登録者のうち計7983人分のデータは、本人の同意を得ないまま提供していた。「同意」を得たとする登録者への説明でも、「採用活動補助のための利用企業等への情報提供(選考に利用されることはありません)」との表現にとどまっており、保護委は、企業へのデータ提供を明確に説明していたとは言いがたいとして改善を指導した。

 謝罪会見で「学生視点の欠如」と同社の小林大三社長は説明した。ある私立大学の進路担当者は「学生の立場に立ち、再発防止に努めてほしい」と求めた。

 学生にとって、怒りは大きい。リクナビは就活生にとって頼らざるを得ない便利なサイトであるがゆえ、同社はそうした事情につけ込んだとみなされているからだ。大学4年の女性(23)は「『合否判定には活用していない』と言われても信じられない。情報がどう使われていたのか、ちゃんと説明してほしい」と訴える。

 個人情報保護法に詳しい新潟大の鈴木正朝教授は「丁寧に利用目的を書いて同意を得られたからといって内定辞退率予測ということをしてもいいのかという問題だ。就職や結婚など、重要な自己決定の場で、AIなどで情報を分析することが許されるのか」と指摘する。

 データビジネスは世界の趨勢さえも左右する成長産業だけに、この問題が投げかける意義は大きい。鈴木教授は、個人情報のデータに関するルールを明確にした法改正の必要性を強調した上で、「企業が萎縮しないためにも産業振興につながるようにしなければ、日本は他国に後れをとるだろう」と訴えた。

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