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ANA常務に聞く人材育成競争の“死角”とは――「ダイバーシティを目的化しない」人気の強制「修羅場」道場に密着【後編】(4/4 ページ)

» 2019年10月30日 05時10分 公開
[日比野恭三ITmedia]
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“他流試合”が本業に生きる

――仕事以外のところでいろいろな経験を持つことは、回りまわって仕事にも生きてきますね。

 私などは社員に対して「そういう経験をするように」と積極的に言うようにしています。本業に直接は関係ないことでもいいですし、異業種交流のようなことをしてもいい。必要とあれば、会社としてそういう場を用意することもできます。

 この「文武両道場」も、その一環と言えますよね。会社の中だけにとどまっていると、組織が同質的になり、結果としてイノベーションが生まれなくなってしまうので、あえて日常とは違う環境に出ていくことは大事です。バレーボールを通して、人を見ることや理解すること、コミュニケーションの取り方などを学び、それと同時に、違う会社の方と一緒になって監督を務めることで刺激にもなる。

 これは言ってみれば“他流試合”なわけです。だからこそ自信がつく。参加した受講生たちには、ダイバーシティが進んでいく組織をマネジメントできる人財に育つための、いいきっかけにしてもらいたいと思います。

photo 文武両道場にて、講師陣から受講生へ厳しいフィードバックがなされる「リフレクション」の風景

著者プロフィール

日比野恭三(ひびの きょうぞう)

1981年、宮崎県生まれ。2010年より『Number』編集部の所属となり、同誌の編集および執筆に従事。6年間の在籍を経て2016年、フリーに。野球やボクシングを中心とした各種競技、また部活動やスポーツビジネスを中心的なフィールドとして活動中。近著に『最強部活の作り方 名門26校探訪』(文藝春秋)など。


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