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» 2019年11月11日 17時34分 公開

「喫煙NO!」で岐路に立つ喫茶店

 来年の東京五輪を前に、全国で受動喫煙への規制が強まっている。来年4月には多くの人が集まる場所を原則禁煙とした「改正健康増進法」も施行され、各地の自治体では規制を厳しくする独自条例を続々制定しているが、業界団体が反発を強めているところも依然ある。条例制定の動きが出ている岡山もそうした対立が表面化している地域だ。

[産経新聞]
産経新聞

 来年の東京五輪を前に、全国で受動喫煙への規制が強まっている。来年4月には多くの人が集まる場所を原則禁煙とした「改正健康増進法」も施行され、各地の自治体では規制を厳しくする独自条例を続々制定しているが、業界団体が反発を強めているところも依然ある。条例制定の動きが出ている岡山もそうした対立が表面化している地域だ。

photo JR岡山駅前の喫煙所。屋外喫煙の規制強化を求める声もあがっている=10月、岡山市北区

根強い反発

 「店内を全面禁煙とするかどうかは、経営者の裁量に任せていただきたい」

 10月28日、岡山市の県医師会館で、受動喫煙の関連条例案を議論する有識者会議「健康おかやま21推進会議」が開かれ、オブザーバーとして参加した岡山県喫茶飲食生活衛生同業組合の関係者が声を上げた。

 岡山県では、県医師会を中心とする協議会が9月に「受動喫煙ゼロ」の条例化を目指す要望書を県と県議会に提出。以降、条例化の作業が進行している。

 組合側は「飲食店は公共の場だが、客は店を選ぶことができる。働く人も店を選べる」と主張。受動喫煙について、あくまで自主的な予防を訴えた。

 また、東中国たばこ販売協同組合連合会は「五輪で来日する喫煙者が多い」と指摘した。世界保健機関(WHO)の2016年の調査では男性の喫煙率はインドネシアでは76%、ロシア58%、中国48%と、日本の33%より高い。連合会側は「喫煙者が岡山を訪れたとき、屋外、観光地、飲食店も禁煙となれば、それは正常な姿か。観光県を目指す岡山として有効な対策を」と訴えた。

各地で規制強まる

 改正健康増進法では今年7月から病院や官公庁、学校などは原則として敷地内が禁煙。来年4月からは飲食店や事務所などが原則、屋内禁煙とされる。

 資本金5千万円以下、客席面積100平方メートル以下の既存飲食店は特例として経過措置を設けられ、喫煙できるが、東京都は従業員を雇う飲食店を原則禁煙とする条例を来年4月に施行。大阪府も今年3月成立した条例で客席面積「30平方メートル以下」と厳格にし、罰則(5万円以下の過料)を定めるなど、各地で規制を上乗せする動きがある。

 健康おかやま21推進会議委員の医師は受動喫煙について「短い暴露でも人体には有害。世界中で毎年120万人の早すぎる死亡を引き起こしている」として小規模飲食店の全面禁煙を主張。別の医師は「駅の真正面に喫煙所があるところでは、呼吸器系疾患の患者らはわざわざ避けて通らないといけない」と指摘し、屋外の喫煙施設の規制強化も求めた。

 条例案は同会議が方向性を出した後、県民の意見を募るパブリックコメントなどを経て県議会に諮られる。県は来年度中の制定・施行を目指しているが、伊原木隆太知事は10月の定例会見で「早い方が良いが、東京五輪のタイミングを最優先し実効性のない条例を作るつもりはない。意見の違う問題で、スケジュールありきで進めるつもりはない」としている。

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