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» 2019年12月02日 16時34分 公開

「プロ人材」公募に千人超 生駒市、新しい働き方に反響

 奈良県生駒市が10月、高いスキルと豊富なノウハウを持った「プロ人材」の公募を行ったところ、国内外から千人以上の応募があった。採用枠は収益確保やICT(情報通信技術)推進など7分野にそれぞれ1人程度で、分野別の倍率は約80〜260倍。現在選考作業中の市も「大きな反響があり、驚いている」という。副業や兼業、テレワークを認めている分野もあり、柔軟な働き方は今後の地方行政におけるモデルケースともなりそうだ。(藤木祥平)

[産経新聞]
産経新聞

 奈良県生駒市が10月、高いスキルと豊富なノウハウを持った「プロ人材」の公募を行ったところ、国内外から千人以上の応募があった。採用枠は収益確保やICT(情報通信技術)推進など7分野にそれぞれ1人程度で、分野別の倍率は約80〜260倍。現在選考作業中の市も「大きな反響があり、驚いている」という。副業や兼業、テレワークを認めている分野もあり、柔軟な働き方は今後の地方行政におけるモデルケースともなりそうだ。(藤木祥平)

photo エン・ジャパンと連携協定を結び、同社の鈴木孝二社長(右)と握手を交わす小紫雅史市長(同社提供)

 生駒市は10月、人材サービス会社「エン・ジャパン」(東京都)と連携協定を結び、同社が運営する採用支援サービスを介して公募を開始。収益確保▽首都圏PR▽観光企画▽ICT推進▽人事改革▽教育改革▽地域活力創生−の7分野で、官民問わず門戸を開いた。週5日勤務の常勤と、月1日〜週5日勤務の非常勤があり、非常勤については副業とテレワークも認めている。

 10月7〜31日の募集期間に海外在住者を含む1023人が応募。260倍と最も人気があったのは観光企画の分野だった。書類審査や面接などを経て12月下旬か年明けにも採用を決める。給与は職務経験などに応じて決め、常勤では部長級での採用も予定する。

 小紫雅史市長は「これだけの方に手を挙げてもらい、非常にありがたい。副業や兼業、テレワークと柔軟に許容したことが大きな理由だと思う」と話す。

 また、地域社会学が専門の奈良女子大の水垣源太郎教授(52)は「地方分権が進み、国や県ではなく各市町村がそれぞれの事情に合わせ、主体的に計画を立てなければならなくなり、プロ人材のニーズは高まっている」と指摘する。

 大阪と府県境を接する生駒市はかつてベッドタウンとして急速に発展したが、近年は少子高齢化が進む。今年4月には人口が12万人を割り込み、65歳以上が約28%を占めるまでになった。市は市民と一緒に汗をかき、これに伴う諸問題を解決しようと先進的な取り組みに着手。「プロ人材」公募のほか、職員の副業・兼業を解禁している。

 地方公務員法は原則として営利目的の副業を禁止しているが、市は平成29年8月、嘱託・臨時職員を除く在職3年以上の職員を対象に、勤務時間外▽許容範囲内の報酬▽職務公正の確保を損なわない−などの基準を満たせば、報酬を得て地域活動に従事することを認めた。

 現在は10人の職員が公務員として働く一方、大学の講師のほか、サッカーやバスケットボールの指導者などさまざまな顔を持つ。このうち市消防本部に勤務する消防士5人は10月から、京都橘大(京都市)救急救命学科で人命救助に関する講義を受け持っている。

 市消防本部北分署の下西浩一さん(36)は「将来一緒に働くかもしれない学生に指導するのはやりがいがある。自分が基本的なことを学び直すきっかけにもなっている」と話す。

 外部の力を生かし、一方で外部に出た経験を本業にも生かす。地方公務員のあり方は今後、大きく様変わりしていくかもしれない。

photo 奈良県生駒市が募集した「プロ人材」の採用特設ページ(エン・ジャパン提供)

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