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» 2019年12月19日 16時34分 公開

銭湯が「ビール工場」に変身 女湯で飲む味は? (1/3)

約60年営業した元銭湯のレトロな建物を生かしたビール醸造所が、大阪で誕生した。男湯はクラフトビール(地ビール)を仕込むタンクが並んだ醸造スペースに大変身。一方女湯では……。

[産経新聞]
産経新聞

 約60年営業した元銭湯のレトロな建物を生かしたビール醸造所が、大阪で誕生した。男湯はクラフトビール(地ビール)を仕込むタンクが並んだ醸造スペースに大変身。一方女湯では、牛乳瓶に注いだビールを味わえる。番台や脱衣所も銭湯として使われていた当時の趣を残しており、ビール目あての客や、銭湯に通っていた地元住民が足を運ぶ地域のにぎわいの場所になりつつある。(北村博子)

銭湯らしさに一目ぼれ

 大阪市東淀川区の阪急淡路駅から徒歩約15分。下町情緒が残る商店街を抜けた住宅街の一角に銭湯を改造したビール醸造所「上方ビール」はあった。引き戸を開けると番台が残っており、脱衣所にはロッカー、銭湯ではおなじみのドライヤー付きのイスが置かれたまま。浴室を覗くと清潔に保たれ、今も現役のようだ。

 今年6月に仲間と5人で、ビール醸造所「上方ビール」を開業した代表の志方昂司さん(33)が2年以上前から醸造所にできる物件を探していたところ、昨年、高齢を理由に廃業した「御幸温泉」と出会った。「内装が営業当時の雰囲気のままで面白い。もともと銭湯好きなこともあって一目で気に入りました」と振り返る。

photo 酒店などに卸している「上方ビール」(左)と、女湯で味わえる牛乳瓶入りの「銭湯ビール」を紹介する仕方昂司さん=大阪市東淀川区

 かつて神戸と大阪で飲食店を経営していた志方さん。店では料理やカクテルにこだわり提供していたが、ビールだけは大手メーカーの商品に頼らざるを得なかったという。「店オリジナルのクラフトビールを仕入れたくても小口注文が難しいため、選択肢は自然と狭まりました」

 そんな飲食店経営の経験から「店ごとにオリジナルのビールができれば」と考えるようになり一念発起。京都の醸造所で約1年間修業を積み、製造のノウハウを学んで免許を取得した。

 銭湯は広さもあり、麦芽を熱湯に浸すために使うボイラーもある。重量の大きさにも耐えられる頑丈な造りで、大量の水を使うことにも向いている。「普通は後付けする設備がすでに整っていたのは思わぬメリットでした」と明かす。

 約1千万かけて醸造所に改装した男湯には、千リットルと500リットルのタンク計5個が並ぶ。仕切りのあるサウナ室は残して麦芽の粉砕室に利用している。

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