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» 2020年01月22日 07時38分 公開

【日航破綻10年】当時の経営陣は「八百屋の経営もできない」 (2/3)

[産経新聞]
産経新聞

 法的整理と運航継続の両立に加え、誰に経営をまかせるかも再建のカギだった。会長職は京セラ名誉会長の稲盛和夫氏(現日航名誉顧問)が就任したが、打診段階では「3度は断られた」(関係者)という。しかしそれだけの期待をかけられた稲盛氏の手腕は確かだった。

 稲盛氏は航空業界に携わったことはなかったが、就任早々、当時の経営陣を「八百屋の経営もできない」と批判。各部門に毎月、予算と実績を発表させる部門別会計を徹底させた。日航社内で再建に携わった関係者は「社内に緊張感が張り詰めていた。『なぜこんな数字になるんだ』とかなり数字にこだわり、激しく問い詰める場面もあった」と存在感を振り返る。

photo 就任会見する日本航空会長の稲盛和夫氏(左)と、社長の大西賢氏=平成22年2月1日、東京都港区(三尾郁恵撮影)

 また稲盛氏は「経営が苦しくなれば政府が助けてくれる」という社員の甘えをなくすため、23年に社員が共有すべき価値観を「JALフィロソフィ」としてまとめた。「一人ひとりがJAL」など人としての規範ともいえる内容だ。こうした意識の浸透は、整備のトラブルが起きた場合、整備士自身が搭乗口で乗客に直接、説明するといった部門を超えた連携につながった。

 日航は稲盛氏が主導した企業風土や経営の改革の末、24年9月に再上場を果たした。公的資金投入や、再上場後も昨年3月まで続いた法人税の減免といった支援の効果が大きく、一部からは「外国人投資家が再上場でもうけている」との批判も出たが、上場廃止からわずか2年7カ月のスピード復帰は企業再建の成功例とされる。

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