金融ビジネス最前線〜デジタル活用のヒントを探る〜
ニュース
» 2020年03月06日 12時11分 公開

「前借り感覚」実態はヤミ金、年利500%も…被害急増 (1/2)

 会社員などから将来受け取る給料を債権として買い取り、給料日前に事実上、現金を貸し付ける「給料ファクタリング」の被害相談が相次いでいる。存在はSNSやインターネット掲示板を中心に広がり、業者側は「前借り感覚の気軽な資金調達方法」とアピール。だが法規制がないことを背景に、多額の手数料を要求されるトラブルも目立つ。専門家は「実質的なヤミ金だが、周囲に被害を相談できない人も多い」としている。(杉侑里香)

[産経新聞]
産経新聞

 会社員などから将来受け取る給料を債権として買い取り、給料日前に事実上、現金を貸し付ける「給料ファクタリング」の被害相談が相次いでいる。存在はSNSやインターネット掲示板を中心に広がり、業者側は「前借り感覚の気軽な資金調達方法」とアピール。だが法規制がないことを背景に、多額の手数料を要求されるトラブルも目立つ。専門家は「実質的なヤミ金だが、周囲に被害を相談できない人も多い」としている。(杉侑里香)

photo

 「手軽で利用したが支払えなくなって…。会社に連絡されたらどうしよう」

 2月下旬、大阪府内に住む20代後半の男性会社員から司法書士事務所へSOSが届いた。男性は給料ファクタリングを利用し、月給のうち7万〜8万円分を業者に債権として譲渡。手数料を引いた分を先に現金として受け取り、給料日後に返済することを繰り返していたが、やがて資金繰りに行き詰まったという。

5万円前借りの手数料3万円

 ただ男性が給料日前に受け取っていたのは約5万円。2万〜3万円が手数料で差し引かれていた形だ。金利換算では年率が500%超となり、利息制限法の上限(最大20%)を大きく上回っていた。

 ファクタリングとは従来、事業者が取引先への売掛金を債権として第三者に売却し、決済日前に当面の資金を調達する手法だ。法規制がなく、中小企業などで広く実施されてきたやり方だが、これを勤務先から将来支払われる給料に転用し、個人向けに行うのが給料ファクタリング。契約上の金銭の貸し借りではないため、利息制限法や貸金業法などに縛られず、ネット上には「ブラックリスト入りの方でも大丈夫」などとの文言も目立つ。

 その実態について「ヤミ金にほかならない」と指摘するのは植田勝博弁護士だ。一般的なファクタリングは、大半が「利用する会社−取引先−業者」の3者間の合意で行われる。これに対し、給料ファクタリングは「利用者−業者」の2者間で進み、給料債権の譲渡も名目だけ。そもそも労働基準法は、給料は労働者への直接払いが原則で、「事実上は利用者と業者間の金銭の貸し借りだ」(植田弁護士)。

       1|2 次のページへ

copyright (c) Sankei Digital All rights reserved.

アクセスランキング
  • 本日
  • 週間