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» 2020年03月30日 05時00分 公開

行列の出来る食パン、その「ミソ」は (1/2)

高級食パンブームで全国に専門店が続々と登場する中、茨城県に行列の絶えない食パン専門店ができた。日立市に昨年12月に誕生した食パン専門店「醸す生食パン工房 うち山」だ。

[産経新聞]
産経新聞

 高級食パンブームで全国に専門店が続々と登場する中、茨城県に行列の絶えない食パン専門店ができた。日立市に昨年12月に誕生した食パン専門店「醸す生食パン工房 うち山」だ。開店するとすぐに行列ができ、今では県外から足を運ぶファンも増えている。田舎の食パン店に行列が絶えない、その理由とは――。(永井大輔)

味噌蔵の麹種酵母

 「この味はうちでしか出せません」。そう胸を張るのは「うち山」の代表、内山庄栄さん(54)だ。同店は、同市内にある創業147年のみそ蔵「内山味噌(みそ)店」が、麹発酵技術を注ぎ込んだ日本初の食パン店。みそ蔵で培われた麹種酵母を生かした食パンには他では出せない「甘酒のような優しい甘み」と「独特の弾力ある柔らかさ」がある。

photo 上部のくぼみが特徴的な生食パン「うちやま」=16日午前、日立市(永井大輔撮影)

 肝となる麹菌は非常に繊細で、わずかな環境の変化でも姿を変えてしまう。このため、同店の従業員は、麹を仕込む前日は、茨城県民にとって最大のソウルフードともいえる納豆を食べてはいけないという決まりがある。体にわずかに残った納豆菌により、大豆麹が納豆になってしまう可能性があるからだ。

 また、麹を仕込む蔵や麹菌を繁殖させる容器「麹蓋」も何十年も使い込まれ、菌が住みやすい環境に変わっている。147年の歴史と知恵がないと生み出せない麹菌というわけだ。

 小麦粉と水にもこだわりがある。小麦粉は国産よりも、もっちりとした触感を出せる北米やカナダ産の強力粉を使い、水は地元の阿武隈山脈から湧き出る硬水を使用することで表面の焼きあがりをサクッとさせる。

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