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» 2020年05月27日 08時16分 公開

当時も庶民のラッキーアイテム? 「疫病鎮める」江戸時代の予言獣たち  (1/3)

新型コロナウイルスをめぐり「疫病退散の効果がある」として注目された「アマビエ」を筆頭に、災厄を前もって人々に知らせる「予言獣」と呼ばれる江戸時代の妖怪たちが注目を集めている。

[産経新聞]
産経新聞

 新型コロナウイルスをめぐり「疫病退散の効果がある」として注目された「アマビエ」を筆頭に、災厄を前もって人々に知らせる「予言獣」と呼ばれる江戸時代の妖怪たちが注目を集めている。SNSを中心に人気が高まりグッズ化なども進むが、これらの妖怪を描いた当時の瓦版も「御利益がある商品」として販売されていた。専門家は「当時の庶民も今と同じく“ラッキーアイテム”として持っていたのでは」と分析する。(橋本昌宗、王美慧)

異形の存在

 「コロナを払ってくれるかも」と一躍注目を集めたのが、アマビエだ。厚生労働省が若者向けの啓発アイコンとして採用、一気に「公認キャラクター」となった感がある。クリアファイルにTシャツ、焼き物や菓子など、あらゆる商品に活用され、鬱屈しがちな自粛生活を支えるマスコット的な存在となっている。

 アマビエの記録として残っているのは、京都大付属図書館(京都市)が所蔵する1枚の瓦版。それによると、江戸末期の弘化(こうか)3(1846)年4月中旬、肥後(現・熊本県)の海で、地面まで伸びた長髪に鳥のように突き出た口、うろこで覆われた胴体に足のようなヒレが3本生えた半身半魚の妖怪が見つかった。

 妖怪は自ら「アマビヱ(エ)」と名乗り、今後6年の豊穣(ほうじょう)を予言。「もし疫病が流行したら、私の絵を写して人に見せよ」と告げ、海へ帰ったと伝わる。

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 山梨県にも、同種の存在が伝わっている。市川村(現・同県山梨市)の村役人が安政5(1858)年に記した「暴瀉病(ぼうしゃびょう)流行日記」(同館所蔵)の中には、2つの頭を持つカラスのような鳥が現れ「我らの姿を朝夕に仰ぎ、信心するものは必ずその難を逃れることができるであろう」という記述がある。

 同書は長崎から全国に広まったコレラについて書かれたもの。コロナ禍が続く中、県立博物館はこの鳥に「ヨゲンノトリ」と名付け、PRしている。

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