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» 2020年06月02日 06時43分 公開

日本産へのこだわり医療用ガウン15万着、ANAも協力 (1/3)

新型コロナウイルスの感染拡大で医療物資が逼迫(ひっぱく)する中、奈良県上牧町の縫製会社「ヴァレイ」が国の要請を受け、不織布の医療用ガウン10万枚を急ピッチで生産している。

[産経新聞]
産経新聞

 新型コロナウイルスの感染拡大で医療物資が逼迫(ひっぱく)する中、奈良県上牧町の縫製会社「ヴァレイ」が国の要請を受け、不織布の医療用ガウン10万枚を急ピッチで生産している。地元の靴下メーカーだけでなく、アパレルメーカー、ANAグループのボランティアも巻き込みながら、一丸となって窮地を乗り越えようと奮闘している。  (田中一毅)

自宅を縫製工場に

 「医療用ガウンが不足しています。社長のところで縫えないですか?」

 4月上旬、経済産業省の担当者から縫製会社、ヴァレイを営む谷英希社長(30)のもとに一本の電話がかかってきた。医療現場では数千万枚単位で医療用ガウンが不足しており、本来使い捨てすべきガウンを数日間着続けるケースもあったという。7月末までに、不織布の医療用ガウン10万着を納めることになった。

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 ヴァレイは谷さんが平成28年に起業したアパレルベンチャーだ。「KEITA MARUYAMA」などの有名ブランドからも縫製を請け負っている。昨年、中小企業庁の「はばたく中小企業・小規模事業者300社」に選出され、その縁もあって経産省から声がかかった。

 従業員はわずか約20人だが、子育てや介護、転勤、廃業などの事情で離職を余儀なくされた全国各地の縫製職人に、自宅で仕事をしてもらうネットワーク「マイホームアトリエ」を構築して、現在、約200人の縫製職人に仕事を依頼できる仕組みを持っている。

 ただ、4月、ガウン縫製の要請が来るまでは「仕事がまったくない状態だった」と打ち明ける。コロナ禍で同社も売り上げが激減。5月の売り上げも前年比95%減となる見通しだった。国からの仕事は「医療従事者を救うだけでなく、収入が減った職人を救うことができる」と二つ返事で引き受けた。

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