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» 2020年06月30日 10時43分 公開

アクティビスト 物言う株主、高まる存在感 (2/2)

[産経新聞]
産経新聞
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ESG投資の浸透

 そんな中、今後のアクティビストの活動に大きな変化を与えそうな考え方が投資の世界に浸透してきた。環境と社会、企業統治の取り組みを重視して投資先を選別する「ESG投資」だ。

 コロナ禍で人種差別や社会の分断が起きている米国では、企業に対する投資家や世間の目は日に日に厳しくなっている。黒人のイラストや蔑称が使われた商品パッケージを取りやめたり、黒人従業員の待遇を改善したりする動きがみられるようになった。

 大和総研の鈴木氏は「社会運動が株主行動に影響し始めた。消費者による自社製品のボイコットにつながるリスクを恐れ、経営側もこれに敏感に反応するようになった」と語る。

 日本では、三菱UFJフィナンシャル・グループが昨年5月、石炭火力発電への新規融資の中止を宣言した。

 みずほフィナンシャルグループは25日の総会で、日本で初めての気候変動に関する株主提案を議論。パリ協定の温暖化対策目標に沿った投資を行うための計画を毎年開示するよう、環境団体から求められたのだ。結果的に取締役会の反対で議案は否決されたが、鈴木氏は「日本企業もソーシャルムーブメント(社会変革)の入り口に立った」と述べ、この流れが本格化するとみている。

 日本株全体の評価を高めようと、個人投資家をアクティビストとして育成する取り組みが注目されている。マネックス証券が平成31年1月に立ち上げた「マネックス・アクティビスト・フォーラム」だ。今年6月25日には、個人投資家の声を集め、投資先と対話活動も行う投資信託の運用を始めた。公募で集まった個人の資金は32億円に上る。

 東京証券取引所によると、30年度末時点の個人の株式保有割合は約17%。一定の影響力を持ちうる一方で、株主優待狙いで株主になる人や、お土産が目的で株主総会に出席する人も少なくない。

 マネックスの松本大会長は「個人がアクティビストになることが日本株全体のパフォーマンス向上につながる」と訴えている。

(経済本部 米沢文)

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