金融機関のデジタル活用〜デジタル活用のヒントを探る〜
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» 2020年08月17日 18時28分 公開

コロナの夏の教訓は「消費税減税」と「金融の量的拡大」 給付金の消費押し上げは一過性、消費税減税のほうが効果は持続する

 うだるような暑さが続く。在宅仕事に追いまくられる中、衝動的にひなびた温泉にせめて2日間くらい行きたいと思い、ネットをググったところ、新型コロナウイルス対策をしっかりと施したとおぼしき宿は軒並み予約でふさがっている。

[ZAKZAK]
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 うだるような暑さが続く。在宅仕事に追いまくられる中、衝動的にひなびた温泉にせめて2日間くらい行きたいと思い、ネットをググったところ、新型コロナウイルス対策をしっかりと施したとおぼしき宿は軒並み予約でふさがっている。

 ちょっと後にずらすとわずかに「空室あり」とあり、料金を見ると、「Go To トラベル割引あり」。感染者は東京に限らず全国に拡大しているというのに、東京都民は除外されるのだ。

 やむにやまれず高い料金を払うしかないが、「日本国民、法の下の平等」はどこに行ったのかと怒りが込み上げてきた。周りの都民の面々に話すと、思いは同じだ。

 「新型コロナウイルス感染防止と経済を両立させる」と安倍晋三政権は繰り返すが、国民を分断させるような政策は空疎で、「二兎を追う者、一兎も」という羽目になる。

 そこで、この際、経済のトレンドを示す主要指標を改めて集めて作成したのが本グラフである。

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 瞠目(どうもく)すべきは、国民1人当たり一律10万円の給付金の威力である。今年6月の1戸当たりの家計収入と賃金給与を比べてみると、家計収入は101万9095円と100万円を突破、前年比13万8290円増だ。対照的に賃金給与は77万2874円で、1万3336円も減っている。収入の大幅増の最大要因はもちろん現金給付だが、他にもコロナ関連の公的支出が影響しているのだろうが、財政資金ばらまき効果をまざまざと見せつけた。

 今回のような非常時は困窮している家計に限って手当てする、というのがスジなのだが、行政側の制度が整備されていないために、該当世帯の選定に手間取るから、エイヤッとばかりに全世帯となった。国も地方も、課税当局は税を徴収することばかり考え、所得階層別に定額還付するなんて思いもよらないのだ。

 一律給付は、ちょうど現金を満載したヘリコプターが1回きり飛んできて、ばらまくようなもので、消費押し上げは一過性で、百貨店の夏服や家電量販店のエアコンの売り上げは増えても、需要はいずれ元に戻る。従って将来予想で動く景気は停滞したままなのだ。現金給付は総額で13兆円、ちょうど消費税率の3%分に相当する。経済対策としては消費税減税のほうが現金給付よりはるかに公正であり、効果は持続するはずだ。

 経済政策というものは名前の通り、満遍なく行き渡り、あとは消費者や企業の選択の自由にまかせるというのが原則のはずなのだが、政府の財政政策は現金給付やGo To補助のように場当たりすぎる。

 金融の量的緩和はどうか。効くのはもっぱら株価である。株価は米株式市場動向に大きく左右されるが、米株価も中央銀行の資金発行量が増えるに従って上向く。

 株価上昇は資産家層を富ませるだけ、との冷ややかな見方が全国紙論説には多いが、年金運用収益を良くする。高齢化時代では株高は不可欠だ。消費税減税と金融の量的拡大を組み合わせる政策に踏み出すときだ。(産経新聞特別記者・田村秀男)

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