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» 2020年10月10日 07時00分 公開

異業種主導:SBIの狙いとノジマの思惑 「地銀再編」はさらに進むのか

ネット金融大手「SBIホールディングス」が地銀への出資攻勢を強めている。この狙いは何か。

[ZAKZAK]
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 ネット金融大手、SBIホールディングスが地銀への出資攻勢を強めていることは、もはや周知の事実だが、この狙いは何だろう。

 SBIが長期的な地域再生に関心があると本当に思っている人は少なかろう。北尾吉孝社長CEOは、再生のために出資した地銀がなかなか思うように復調しない場合、1、2年で見切ると私は見る。

北尾氏は地銀再編のキーマンだ

 島根銀行(本店・松江市)のほか、福島銀行(福島市)、筑邦銀行(福岡県久留米市)、清水銀行(静岡市)がSBIの出資を受け入れ、東和銀行(前橋市)も出資なしの提携を行っている。

 加えて、大東銀行(福島県郡山市)の株式2割弱を取得したことが注目を引く。福島県内で出資している2行を合併させれば、大きなキャピタルゲインが出ることが考えられ、SBIとしては大満足だろう。株式市場では菅義偉首相の発言で地銀株が軒並み買われる場面もあった。

 私が「覇道」と認識する動きは他の外部勢力も行っている。例えば、家電量販店のノジマによるスルガ銀行(静岡県沼津市)の2割弱の株式取得である。シェアハウス融資にまつわるスキャンダルで大きく傷ついたスルガ銀を救済するという名目だが、家電販売と不動産融資を連結すること以上の思惑があるように思えてならない。

 それでも当局がこうした動きを止めないのは既存勢力、つまり銀行界内部の変革意欲が低いことに理由が求められる。

 地域の弱小勢力を取り込むことの意義を認めていない地銀もいまだに存在するが、それも菅政権で変わらざるを得ないだろう。否が応でも県内合併を強制される可能性が高い。正確には、忖度(そんたく)が求められるというべきかもしれないが。

 地銀同士の統合や合併について独占禁止法の適用除外とする特例法が年内にも施行される。

 仮に地銀が「1都道府県1行」となった場合、すでに実現している京都府、滋賀県、鳥取県などを含めて地銀の数は47で現在の半分以下となる。

 県境を越えて統合している銀行群もあるが、彼らがそのまま中途半端な持ち株会社を通じて2つ以上の銀行を持つ無駄を維持することはできるのだろうか。

津田倫男(つだ・みちお)

フレイムワーク・マネジメント代表。1957年生まれ。都市銀行、外資系銀行などを経て独立。企業アドバイザーとして戦略的提携や海外進出、人材開発などを助言する。著書に『40歳からの貯めるコツ、使うコツ』(海竜社)など。


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